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ナリス化粧品が2024年2月に発売を開始した日焼け止め「by365(バイサンロクゴ)パウダリーUVクリーム」。男性研究者が7年前に育休を取得し、毎日のように子どものおむつ替えをしていた時に吸水ポリマーの力に興味を抱き、着想を得て開発に至った製品です。これまでになかったサラサラ感が続く新しいテクスチャーが受け入れられ、多くのコスメ大賞や2025年のグッドデザイン賞を受賞しており、2026年1月末までの販売数量は151万個を突破しています。今回新しいアイテムの「パウダリーUVジェル」を2月10日に発売することになりましたが、社内でも「本当に発売できるのか?」と噂が立つほど困難を極めた開発になりました。発売にこぎつけた研究開発担当の河内佑介(39歳)と、製造技術担当の東凌太(29歳)にこれまでを振り返ってもらいました。(聞き手:広報 横谷)


●デビュー直後から立ち上がった「by365プロジェクト」


―河内さん、by365のデビュー以降大きな反響があったかと思いますが、追加アイテムはまさかのジェルタイプでしたね。


河内―by365は、2024年2月の発売直後から、これまでの新製品とは異なる好調な動きをしていたので、ブランドを拡大させるためのプロジェクトがほどなく発足して、私も参画していました。ゆくゆくはクリーム以外の新しいアイテムも発売しなければならないと思っていましたが、クリームを開発した段階で、吸水ポリマーのサラサラ感を生かしたアイテム展開の難易度が高いことはすでにわかっていました。特にクリームよりも粘度が低いジェルタイプや乳液タイプのテクスチャー開発が難しいことは火を見るよりも明らかで、3年くらい先ならばなんとかなるかな、くらいに思っていました。しかし、by365の勢いを止めたくないという会社の意向と、ドラッグストアの市場で圧倒的に人気のある低粘度のジェルタイプを何としても発売したいという企画者の思い、そしてお客様からもボディにも使い易いものが欲しいというニーズがあったため、早いタイミングで2026年の春になんとか発売しようということになりました。


―追加品がジェルタイプと決まった時はどう思いましたか?


河内―いやー、大変なことになると思いました。正直なところは不安が半分、でも作れたらすごいんじゃないかという期待が半分といった不思議な感覚でした。by365に使っている吸水ポリマーは、クリームタイプの開発の時にもすでに製造現場でたくさん苦労があったので、ジェルだともっと一筋縄ではいかないだろうと、東さんの顔がすぐに思い浮かびました。


―処方を作る前の早い段階から量産化や製造試作の心配までするものなんですね。


河内―研究者は研究室でビーカーで研究品の処方開発をするのですが、小さなビーカーで作れたとしても、工場の大きな乳化釜で作れるとは限らない。量産化するためのノウハウは研究開発とは別のもので、製造現場で量産化のための試作を行うのです。処方を開発する研究者だけが頑張ったとしても、お客様に届けられる商品をつくることはできません。スキンケア品や日焼け止めはほとんどが乳化物ですが、基本的には水分と油分と有効成分を混ぜ合わせて作ります。油溶性の有効成分は油分に、水溶性の有効成分は水分に混ぜてからそれらをすべて混ぜていくのですが、日焼け止めは、それらの成分に加えて紫外線をカットするための成分やサラサラ感を演出するための粉状の成分など、配合する成分の数が多いのです。配合する成分の数が多くなればなるほど設計は難しくなります。小さなビーカーだと混ざるものが、大きな乳化釜だと混ざらないことや、混ざったとしても時間が経つと分離したりすることもあります。当社は93年前の創業当時から研究開発部門があり、処方の蓄積はたくさんあるものの、それでも日焼け止めの処方開発は難しいのです。日焼け止めは使用感はもちろん、UVカット効果や耐水性、洗い流し易さなど求められる要件が多く、化粧品の中でも設計の難易度は屈指のアイテムです。当社は日焼け止めの処方技術に長けていると自負していますが、それでも難しい開発になると予想できました。by365は吸水ポリマーを応用した全く新しい処方系なので、どうしてもクリームタイプのように粘度が高くなってしまいます。ポリマーの吸水量と粘度のコントロール、そして品質を処方と製造現場でうまく調整していくのは研究開発と製造現場の連携がとても重要なのです。



―東さん、責任重大だったんですね。

東―河内さんが言ったように、研究室でビーカーの中で作れたとしても、工場の大きな乳化釜ではうまく作れないということが多々あります。日焼け止めは配合成分の数が多く、それらを単に混ぜるだけではうまく混ざらないことや、混ぜる順番や混ぜ方によってもうまく混ざらないこともあります。また、乳化する際、ほとんどの化粧品は熱を加えて攪拌して混ぜて、その後冷ましてから容器に充填するのですが、乳化釜が大きいほど冷めるまでに時間がかかります。冷めていくときの温度などの条件によっても、分離したり成分が沈殿したり、品質に影響を与えてしまうということもあり、研究室で処方を組むことと、量産時のスケールアップ品を作る試作の技術はそれぞれ違うので、量産適正の設計をするのは処方設計のスキルとはまた違うノウハウが必要です。混ぜる成分の数が多ければ多いほど、また作る乳化釜が大きければ大きいほど量産化は難しいのですが、「by365」は販売計画が大きかったので当社の数種類のサイズの乳化釜のなかで最も大きな乳化釜で作る必要がありました。大きさで言うと成人男性が一人で落ちてしまうと出てこられないほどの大きさです。3階建ての高さがあり、底は1階ですが、投入口は2階というほど大きな設備で、小さな乳化釜でも作るのが難しい日焼け止めの試作の難易度は、これまで私が担当していた中でもかなりハードルが高いと感じました。



●「研究開発だけでは製品は作れない」―河内の声に応えたのは、量産化設計者としてかけだしの東。


―試作はうまくいったのですか?

河内―実は処方開発は難航し、東さんを待たせてしまいました。研究室での研究品の処方の数は軽く100を超えていました。処方の数が100を超えることは稀で、ここまで作り込んだのは久しぶりでした。吸水ポリマーは水分をたくさん吸ってしまうので、粘度の制御が難しく普通に作ると硬くなってしまいます。ようやくポリマーを制御する方法を見出しても粘度が低いと流動性が高くなり安定化が困難になるといったトライ&エラーを延々と繰り返していました。春夏秋冬一年中、いつ使っても、また最初に使ってから使い切るまで、数か月間かかる日焼け止めなので、その期間、カバンに入れて持ち歩いたりしても問題のないように最後まで使いきれる品質を提供しなければなりません。試行錯誤と言えば一言で終わってしまいますが、水分の流動を制御する処方にやっとたどり着き、これなら工場でスケールアップ品を試作しても良いのではないかと思えたのは、予定よりかなり遅めでした。


東―1回目の試作は、まず100Lの乳化釜で実施しましたが、予想通りのものが作れませんでした。翌日確認してみるとビーカースケールと比較してうまく混ざっていませんでした。100Lというと当社の乳化釜のなかでは小さめの釜ですが、「by365 UVパウダリージェル」の本品の内容量の70gで換算すると単純計算で1400本以上にあたる量なので、廃棄すると思うと背筋は凍りました。2回目も失敗。私はこれまでに多くの試作の担当をしてきましたが、苦労したのは日焼け止め製品ばかりです。2回目の失敗はショックも大きかったです。化粧水や乳液などでは、これまでの会社の中の技術の蓄積もあり、さほど難易度は高くないのです。それほど、日焼け止めは処方開発も難しいですが、試作も難しいのだと思います。私は、試作の設計を始めてまだ半年くらいだったこともあり、不安で仕方ない日々を過ごしました。


―そうですね。会社の中でも、工場の量産技術的の設計者は、研究開発の処方をよく知る社員が異動などして担当者になるイメージがあります。


東―実は私がby365のUVジェルの量産設計を担当したのは、この仕事を始めてまだ半年くらいのかけだしの時です。私は農学部を卒業しているので理系ではありますが、量産設計に関する知識が少ないので、製造技術のスキルを上げるために本社の研究開発部で半年間研修を受けて、処方技術を学びました。でも半年間研究開発で研修を受けたくらいでは、研究開発社員のように処方について多くを修得することは難しく、河内さんが忙しいことはわかっていましたが、電話やオンラインで何度も相談に乗ってもらいました。生産現場である工場は兵庫県の三木市にあり、研究開発部は大阪市内なので、同じ会社にいても研修前は研究開発の社員と話す機会はほとんどなかったのです。半年間の研究開発部での研修でいちばん得られたことは、処方化の細かな知識というよりも、研究開発の社員の製品開発や品質確保にかける思いを肌感覚で知ることでした。河内さんはいつも「研究開発だけでは製品は作れない」と言ってくれていましたし。その思いを受けて、私は私の立場で責任をもって量産化の技術を構築したいと思い、研修中の交流で得られた人間関係があったので、河内さんに直接相談して細かな不安を取り除いていきました。研究室と工場の製造現場の間に信頼関係があったので、不安はありながらも不安だと思わないように目の前の課題に集中することに専念していました。


―by365の追加アイテムの発売は社内でも高い関心ごとであったため、試作がうまくいっていないという情報が流れて、「本当に2026年2月に発売できないのでは…」というような憶測も流れていました。今だから笑って聞ける話ですが、どんな気持ちで取り組んでいましたか?


河内―工場での試作には、処方開発者も同行して実施するのですが、2回目の試作の失敗は、東さんだけでなく私もかなり追い込まれました。その頃、by365のUVクリームがかなり売れていて、工場に行くと増産を重ねていた状況もより失敗できないという緊張感をさらに生んでいました。これまでの私の経験では1回目の試作で問題があっても2回目の試作で解決できることが大半でした。しかし今回は製法を改善した2回目の試作でも解決できず、やむなくそこから再度処方を見直して改めて試作に挑みました。3回目の試作でなんとか課題を解決することができ、東さんとふたりでホッとしたのを覚えています。最終的に最も大きな乳化釜で作る前に300Lの乳化釜で作って確認ができ、問題ないと判断して処方決定できましたが、本当に綱渡りでした。by365 パウダリーUVジェルは、困難を極めましたが、東さんと一緒に作り上げたという感覚が大きいです。


―本当にお疲れ様でした。今、発売を直前に控えて、どんなことを思われていますか?


河内―日焼け止めは、近年女性だけでなく老若男女が一年中使用するものに変化してきており、化粧品の中でも競争が激化してきています。これまで当社では日焼け止めを開発してもドラッグストアに並べられるのは夏場だけというものがほとんどでしたが、by365は寒い冬場、今のような季節でも店頭に並べてもらえて多くの人に使ってもらえるようになったことは、開発者として本当にうれしく思います。パウダリーUVクリームは吸水ポリマーを配合した日焼け止めとしては最初でありながら画期的な良いものが作れたという自負もありました。今回のジェルの開発は本当に困難でしたが、ジェルの追加によって、これまで伸びが悪くて使いづらかったという声に応え、女性だけでなくお子さんや男性にも使ってもらえるものになればうれしいです。


東―まずは、研究開発の研修を受けたからこそ、100を超える処方を作った河内さんのことを尊敬しつつ、同時に泣き言も言えないというプレッシャーからやっと解放されました。多くの人が知ってくれている製品を量産化という仕事で支えているという誇りのようなものも、この仕事を通じて感じることができました。by365の開発は想像以上に大変で鍛えられましたが、大きな責任も感じたのでまだまだ勉強していかなければと思っています。もちろん、これまでに蓄積されているノウハウをうまく使う器用さも必要ですが、それよりも社内に信頼関係があってよいものを一緒に作りたいと思える気持ちが支えになると思っています。




商品名:by365(バイサンロクゴ)パウダリーUVジェル 〈日焼け止めジェル〉

内容量:70g

発売日:2026年2月10日


するする伸びてパウダリー、サラサラ素肌の日焼け止めジェル 顔・身体用

SPF50+  PA++++ UV耐水性★★ 擦れに強い処方

●塗ったことを忘れるくらい膜感のないサラサラテクスチャー。

●植物性保湿成分 CICA/ツボクサエキス・ドクダミエキス配合。

●水分を抱えた吸水性ポリマー※1が弾けることでみずみずさとパウダリーなサラサラ感を両立します。

●撥水効果がありながら、石鹸で落とせます。

●顔にも身体にも、化粧下地としても使用できます。

●サラサラパウダリーな仕上がりで、塗り直しも快適。べたつく首元などもサラサラでさわやかな気分に。

※1 アクリレーツクロスポリマー-2-Na(吸着剤)

価格:オープン価格 

参考価格:990円(税抜)1,089円(税込)

無香料




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