富山県上市町の県道沿いに、移動可能な宿泊施設「コンテナホテル」が12月20日にオープンする。災害時には被災地に移設して避難施設としても活用できる新しい形のホテルだ。

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プライバシー確保と機動性を兼ね備えた新型宿泊施設

このコンテナホテルは38棟のコンテナで構成され、1棟1室の独立した構造となっている。そのため宿泊者のプライバシーが確保しやすいという特徴がある。運営するのは千葉県の企業で、全国で120施設を展開している。富山県内では黒部市に次いで2店舗目の出店となる。

黒部市の施設では約80%という高い稼働率を誇り、ビジネス利用や長期滞在客も多いという。上市町では工業団地の造成が進んでいることから宿泊需要が見込め、このたびの開業に至ったとのことだ。

災害時には避難施設として機能

画像提供 デベロップ
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このコンテナホテルの大きな特徴は客室ごと動かせる、移設できるという点だ。コンテナをクレーンでつり上げてトラックに載せ運び出すことができる。

運営会社のデベロップの北村あさひさんは「災害など有事の際は自治体からの要請を受けて出動させることができる」と語る。現時点で災害時の出動実績はないものの、コロナ禍では関東地方で臨時の医療施設として利用された実績がある。

自治体との連携で防災力強化

上市町はすでに4年前に運営会社と災害協定を締結しており、有事の際に避難所として活用することを見据えている。このような自治体と民間企業の連携は、地域の防災力を高める新たな取り組みとして注目されている。

コンテナホテルの富山県内での展開は今後も続く見込みで、来年には魚津市や滑川市でも開業が予定されている。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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