渓流の女王とも呼ばれるヤマメ、産卵期は紅葉が美しい晩秋です。
近年、相次ぐ大雨や台風でヤマメの生息環境が変化する中、在来のヤマメを守る活動を取材しました。

木々が色付く小丸川。
源流域で紅葉を楽しめた11月初旬に水面に目を凝らしてみると…秋の終わり頃に産卵期を迎えるヤマメが産卵場所を作っていました。

尾びれを使って、懸命に産卵場所を作っていきます。
大きな石があると産卵できません。
ヤマメが尾びれ使って整地した後はこの通り。苔が剥げて川底が白くなっています。

いま、ヤマメの産卵場所は少なくなっています。
台風や大雨で清流に土砂や石が流れ込むためです。

10月、ヤマメの産卵に適した場所を作ろうと、上小丸川漁協と九州各地の釣り人が協力して産卵場を作りました。
人工の産卵場は川底を整地した後、産卵に適したサイズの小石を選別して川底に敷き詰め、ヤマメが産卵しやすい環境をつくります。

(上小丸川漁協理事 長友智紀さん)
「近年の研究で、放流が思ったより効果がないと分かってきていることと、小丸川特有の遺伝子を持ったヤマメがまだ残っていることが分かったので、在来のヤマメを守りつつ、効果的に増殖ができる方法ということで産卵場を造成しました」

作業すること約3時間、産卵に適した川底ができました。
作業から2週間後、産卵場では…ヤマメの産卵行動を確認できました。

(上小丸川漁協理事 長友智紀さん)
「ペアを作っているヤマメが見れたので、多少なりとも効果はあったのかなと思います。試行錯誤しながらですが継続していきたいです」

放流だけに頼らず、産卵場をつくるというこの取り組みは去年に続き2回目です。
ヤマメが自然の中で繁殖し続けられる環境作りが進められています。

テレビ宮崎
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