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プレスリリース配信元:スパイクスタジオ

DXPO東京'25調査で見えた、生成AI活用を「導入」から「全社定着」へ進める企業の共通点


調査:スパイクスタジオ『生成AI活用に関する来場者アンケート結果(DXPO東京’25秋 / n=65)』


生成AIの活用は、もはや特別な取り組みではなくなりつつあります。
スパイクスタジオがDXPO東京’25[秋]の来場者に実施したアンケートでは、「生成AIを活用している」と回答した方は98.5%に達しました。一方で、興味深いギャップが浮かび上がっています。
- 生成AIによって業務が楽になった・便利になったと実感がある:90.8%
- 生成AIの使い勝手や成果に満足している:41.5%

つまり、9割が効率化を実感しているのに、満足している人は4割にとどまるのです。
この「実感」と「満足」の間に生じているギャップは、生成AI活用が次のフェーズへ進むうえで重要な示唆を与えています。

本レポートでは、DXPO東京’25[秋]およびDXPO東京’25[夏]での来場者アンケート結果をもとに、
- いま、企業の生成AI活用はどの地点にいるのか
- なぜ「実感はあるのに満足できない」状態が生まれるのか
- 満足している企業は、何を乗り越えているのか

を整理し、「実感」を「成果」に変えていくためのステップについて考察します。

1. 調査概要と位置付け

■ 調査1:DXPO東京’25[夏]
- 会期:2025年8月19日(火)~8月22日(金)/4日間
- 会場:DXPO東京'25[夏](バックオフィスDXPO、営業・マーケDXPO)
- 回答者数:200名
- 回収方法:会場ブース前での通行者への声かけによる便宜抽出
- 設問仕様:単一選択式(個人回答)

■ 調査2:DXPO東京’25[秋]
- 会期:2025年11月27日(木)~11月28日(金)/2日間
- 会場:DXPO東京'25[秋](営業・マーケDXPO)
- 回答者数:65名
- 回収方法:会場ブース前での通行者への声かけによる便宜抽出
- 設問仕様:単一選択式(個人回答)


解釈上の注意点
本調査は、展示会来場者への便宜抽出アンケート(8月:200名、11月:65名)をもとにしており、統計的代表性を担保するものではありません。ただし、DX推進の最前線にいる実務担当者の「生の声」として、生成AI活用の現状と課題を考える材料になると考えています。

特に第4章で示す「共通課題」は、アンケート結果に加え、ブースでの対話を通じて得た定性的な知見を含みます。あくまで傾向として捉えてください。

2. AI活用の現在地──導入は当たり前へ、しかし満足度には課題

まずは、DXPO東京’25[秋](11月)の結果から、3つの重要な数字を振り返ります。



「生成AIを活用していますか?」という問いに対し、98.5%が「積極的に活用(30.8%)」または「一部活用(67.7%)」と回答。全く使っていない層はたった1.5%にとどまり、来場者のほとんどが何らかの形で生成AIに触れていることが分かります。

ただし「一部活用」が7割を占めることから、回答者の多くは個人や一部部署での活用は進んでいるものの、全社的な展開までは至っていないケースが多いことがうかがえます。




「生成AIによって業務が楽になった」と回答した方は90.8%を占めています。
このことから、生成AIが日常業務の効率化に寄与していることは、広く浸透していると言えます。



生成AIの使い勝手や成果に「満足」と回答した方は41.5%、「どちらとも言えない」が53.8%と過半数を占めています。

この結果から、生成AIを活用しているものの、成果の測定方法や評価基準が十分に整理されておらず、「満足と言い切るには情報が足りない」と感じている層が多いことが分かります。

3. 8月→11月の3ヶ月で見えた変化の兆し

DXPO東京'25[夏](8月、回答者200名)と[秋](11月、回答者65名)の結果を比較すると、いくつかの変化の兆しが見えてきます。
ただし、会場・サンプル数・対象者属性が異なるため、厳密な市場動向の比較ではなく、あくまで「傾向」として捉えてください。



※会場・サンプル数が異なるため、参考値としてご覧ください

■ 生成AI導入率(活用状況)はほぼ一般化した
8月:87.0% → 11月:98.5%
このことから、「生成AIを全く使っていない」と回答した来場者は、少数派になりつつあると考えられます。

■ 業務効率化の実感は、すでに浸透している
8月:91.5% → 11月:90.8%(ほぼ横ばい)
8月も11月も、約9割が何らかの「実感あり」と回答。業務効率化の感覚そのものは、すでに一定程度広く浸透している状態だと考えられます。

■ 満足度は上昇しているが、まだ半数以上が評価しきれないと回答
8月:30.5% → 11月:41.5%
「満足」と回答した層は、30.5% → 41.5%と約11ポイント増加しており、
生成AIの成果や使い勝手を肯定的に評価する層は、3ヶ月間で徐々に増えつつあるように見えます。

一方で、「どちらとも言えない」層は依然として半数以上を占めており、 「成果として評価しきれていない」企業もまだ多いという現実も見えてきます。このことから、導入・活用は一般化したが、成果に満足できる回答者はまだ一部という構図が浮かび上がります。

4. 成果につながらない企業の“3つの共通課題”

では、なぜ「実感」があるのに「満足」に至らないのでしょうか。
ブースでのヒアリングから、成果につながりにくいケースには次の共通課題があることが分かりました。

1. 成果の見える化ができていない
「生成AIで提案書作成が速くなった気がする」しかし、実際に何分削減できたのか、年間でどれだけのコスト削減になるのかを測定していないケースは少なくありません。
こんな状況に心当たりはありませんか?
- AI導入前後で業務時間を計測していない
- 「便利になった」という感覚だけで、数値で説明できない
- 経営層に成果を報告する際、定性的な説明にとどまっている

このままでは、現場は「便利になった実感」があっても、組織として「成果」と認識されにくい状況になります。

2. 業務プロセスがAIと連結していない
展示会では「文案作成だけAIで作っている」、「会議要約だけAIに頼んでいる」といった方が多くいらっしゃいました。しかし、一部作業だけAI化しても、前後のプロセスが手動のままでは、全体の業務負荷はほとんど変わりません。

よくあるケースとして、AIで議事録を10分で作成できても、共有先がバラバラで、ToDo管理は手作業のまま。結局、次の会議で「前回何話したっけ?」と再確認が発生し、コミュニケーション工数は減りません。一部作業のみAI化しても、前後工程が手動のままでは効果は限定的です。

AIは、“単体の便利ツール”として使うだけでは、生産性は上がりません。
AIの出力を、承認フローやタスク管理、情報共有といった業務プロセス全体に連動させることが不可欠です。

3. 情報やナレッジが整理されていない
「データが散在し、AIの出力品質が安定しない」
展示会ヒアリングで明らかになった大きな課題の1つが「情報整理不足」です。
具体的には、
- データがバラバラに点在している
- 過去資料を探すのに時間がかかる
- ナレッジが属人化している

この状態ではAIの出力精度が安定せず、「望んだ答えが返ってくるときと返ってこないときがある」という不満につながります。
また、使い方が分からない、質問できる人がいないなど定着しない要因も多く、結果として「便利だけど、成果としては評価できない」という判断保留層に留まってしまいます。

5. 成果に満足している企業が実践する3つのステップ

生成AI活用は、“導入すれば成果が出る”取り組みではありません。
では、成果に満足している回答者の所属企業は、何を乗り越えているのでしょうか。
今回の調査からは、次のようなステップが重要だと考えられます。

Step1|業務の可視化(ヒアリング)にしっかり時間を使う
まず重要なのは、AIを当てる前に業務を理解することです。
- どの業務にどれだけ時間がかかっているか
- どこが属人化しているか
- 各工程がどのように連なっているか

といった点を整理し、「どこにAIを当てるべきか」の土台をつくります。

ある営業部門では、提案書作成を可視化。商談内容をもとに提案書を自動生成するAIエージェントを作成し、1件あたり120分→30分に削減。属人作業が減り、品質も均一化しました。

スパイクスタジオとしても、DXコンサルティングの現場で、このヒアリング・業務棚卸しに最も時間をかけています。ここを丁寧にやるほど、後の成果が出やすくなると感じています。

Step2|小さく始めて、成功体験を横展開する
これは非常に重要な視点です。
AI導入でうまくいかないケースほど、「一気に全社で使ってもらおう」「まずはこの業務を丸ごとAI化しよう」と"ゴールが大きすぎる状態"になっている可能性が高いです。

一方、成果を実感する企業がやっているのは、
- まずは1つの業務で改善サイクルを回す
- メンバーが“成功体験”を積む
- その改善ノウハウを他部署へ横展開する

という"小さな成功→再現→拡大へ"この流れです。
生成AI活用では、このアプローチの方が圧倒的に成功確率が高いです。

Step3|ナレッジを仕組みとして残す
成果に満足している企業と、判断保留の企業を分けているのは、AI活用そのものではなく "ナレッジマネジメントの質" です。
以下は、成果を出す企業が実践している仕組みの例です。
- AIで作成した資料・文章のテンプレート化
- よく使うプロンプトの共有や改善
- FAQや過去の出力例の蓄積
- 社内フォルダ体系の見直し

このように、ナレッジを「個人の頭の中」ではなく「誰でも使える仕組み」として残すことで、属人化を防ぎ、再現性を高めることができます。

また、使った結果を定期的に評価し、プロンプトやルールを改善していく「改善サイクル」も欠かせません。生成AIは、導入がゴールではなくスタートです。

6. まとめ:2026年、企業の差は「AIの量」ではなく「仕組み化の質」で決まる

今回のDXPO東京’25[秋]のデータは、生成AI活用が、 「導入すれば良い」時代から「仕組みに組み込める企業だけが伸びる」時代に入ったことを示しています。
- 導入・活用はほぼ一般化した(98.5%)
- 業務効率化の実感も広く浸透している(90.8%)
- しかし、成果に満足できている回答者は4割強(41.5%)

この差を生んでいるのは、AIをどれだけ多く導入しているかではなく、どれだけ自社の業務に合わせて「仕組み化」できているかです。

生成AIを「個人の便利ツール」で終わらせるか、「組織全体の生産性基盤」として育てるか。この違いが、2026年以降の企業の名案を分けると考えています。


◼︎ スパイクスタジオのサービスラインナップ
生成AI活用支援ソリューション
AIインテグレーションサービス
AI品質監視・管理サービス
生成AIアウトソーシング

株式会社スパイクスタジオは、生成AI技術の社会実装を通じて、人と企業をエンパワーメントする企業です。革新的な技術とクリエイティブなアプローチを通じて、ユーザーに新たな体験を提供することを目指しています。

◼︎ これまでの生成AI活用に関する来場者アンケートレポートはこちら
- DXPO東京'25[夏]アンケートレポート
- DXPO福岡'25アンケートレポート




【株式会社スパイクスタジオ詳細情報】
本社所在地:東京都港区虎ノ門二丁目2番1号 住友不動産虎ノ門タワー 5階
事業内容:ソフトウェア開発事業、生成AIコンサルティング事業、生成AI研修事業
設立:2023年12月
代表取締役CEO 黒柳 茂、代表取締役COO 佐野 宏英
資本金:2,500万円(準備金含む)
https://spikestudio.jp/
TEL:050-1808-2992


【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社スパイクスタジオ
お問い合わせ先:広報担当
Email:contact@spikestudio.jp
電話:050-1808-2992

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