バトントワリングの元指導者の41歳の男はおととし、京都市内の自宅で教え子だった当時高校3年の男性に対し、性的暴行を加えた、強制わいせつ・準強制わいせつ・準強制性交等・強制性交等の罪に問われている。
京都地方裁判所は15日、男に懲役6年の実刑判決を言い渡した。
■被害者の男性「関係性を崩すほどの勇気がその時はなくて行くしかなかった」
被害者の男性は、取材に対してその苦しみを次のように訴えていた。
被害にあった男性:寝れなかったりっていうのが1、2カ月は、ほぼ毎日続いて。
事件当時、大会が控えていたことから、指導者だった男の誘いを断れなかったと話す。
被害にあった男性:関係性を崩すほどの勇気が、その時はなくて。大会に出たいっていう思いがあって、その時は行くしかなかった。

■被害者「加害を認めてもらいたい」元指導者の男は裁判で起訴内容否認
被害にあい、その後、大好きだったバトンをおよそ1年半も握ることができなかったという。
性被害にあった男性:(性加害を)認めてもらうっていうのが一番して欲しいこと。それさえしてくれたら、と今は思っています。
しかし、ことし3月に開かれた初公判で、元指導者の男側は“同意があったと思い込んでいた”などとして起訴内容を否認。
弁護側も無罪を主張した。
ことし10月、検察側は懲役7年を求刑し裁判は結審していた。

■京都地裁“同意があったと思い込んでいた”主張退け「懲役6年」実刑判決
15日の判決で、京都地裁の大寄淳裁判長は元指導者の男に対し懲役6年の実刑判決を言い渡した。
判決では「男性が抗拒不能であったこと(抵抗できない状態だったこと)は明白」とし、元指導者の男側の“同意があったと思い込んでいた”とする主張を認めなかった。
さらに、「指導者として尊敬してきた被告から、被害を受けた被害者の精神的苦痛は大きい」などと指摘した。

■被害男性の父親「息子が一番つらかった。息子はよく頑張った」
判決後、被害にあった男性の父親が取材に応じた。
被害にあった男性の父親:ほっとしたという気持ちですね。(“同意があったと思い込んでいた”という被告側の主張は)裁判官は認めなかったと思うんですけど、被告の口からそういうことは、一切聞かれなかったので、最後には認めてほしかったですね。
被害にあった男性の父親:(裁判は)息子が一番つらかったと思います。息子はよく頑張ったと思います。(被告は)ゆっくり反省する時間はあると思うので、反省して欲しい。
また父親は、「引き続き、息子を家族でサポートしていきたい」と話している。
(関西テレビ「newsランナー」2025年12月15日放送)

