プレスリリース配信元:株式会社小学館
介護ベッド(特殊寝台)は、被介護者の生活の質(QOL)を高めるとともに、介護する人の身体的な負担を軽減してくれる大切な福祉用具の1つです。一方で、導入にあたっては「購入とレンタルのどちらがよいのか」「費用はどのくらいかかるのか」「満足して使えるのか」などの疑問や不安を感じる人も少なくありません。
今回、介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブンでは、介護ベッドの購入とレンタルにおいて、消費者の意識について調査を行いました。

◆調査概要
介護ベッドの導入に際して、どのような基準で「購入」もしくは「レンタル」を選択しているのか、また、その背景になる費用の負担感、こだわり、満足などの消費者意識を可視化する目的で調査を実施しました。
◆アンケート概要
調査主体:介護マーケティング研究所by介護ポストセブン
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:『介護ポストセブン』会員組織『介護のなかま』登録者
調査地域:全国(国内)
調査期間:2025年10月17日(金)~11月4日(火)
有効回答者数:4,320名
【調査サマリー】
- 介護ベッドはレンタルが主流。利用者は購入の約2.7倍
- 購入者は「コスパ」と「衛生面」、レンタル利用者は「費用」と「制度」を重視
- 費用感は購入だと 6~10万円未満、レンタルは 月額800~1,200円未満 が納得ライン
- 満足度は、介護される人・介護する人ともに75%以上
【調査詳細】
◆介護ベッドはレンタルが主流。利用者は購入の約2.7倍
介護ベッドの利用経験がある回答者(n=1,395)のうち、レンタルの利用経験者は1,022名(73%)であり、購入利用経験者373名(27%)と比較して約2.7倍を占めています。
つまり、介護ベッドはレンタル利用が主流であることが明らかになりました。

「介護シーンにおいて介護ベッドを利用していますか?」
◆購入者は「コスパ」と「衛生面」、レンタル利用者は「費用」と「制度」を重視
介護ベッドの利用経験がある回答者に購入とレンタルの選択要因を質問したところ、購入とレンタルでは、重視されるポイントに明確な違いが見られました。

「介護ベッドを購入 / レンタルにした理由は何ですか?」
購入派は長く使うことを前提に「自分たちの状況や環境に最適化したい」という意識が強く、レンタル派は制度のメリットと、入院などにより不要になるシーンや症状の進行により合わなくなるリスクの回避を重視。先が見えにくい介護の状況に対して、柔軟に対応できる選択肢を求めている人が多いことが窺えます。
●購入者が重視する点
1位 : 長期介護を見据えて経済的だった(40%)
2位 : 傷や汚れを気にせず利用できる(39%)
3位 : 他の人が使ったものを使いたくなかった(25%)
4位 : 体格や症状に合わせて自由に選べる(16%)
5位 : レンタルできることを知らなかった(12%)
購入者は「長期介護を見据えた経済性」のコストパフォーマンスと、「傷や汚れを気にせず利用できる」「他の人が使ったものを使いたくなかった」など衛生面を重視する傾向で、特に、介護年数が6年以上の購入者層では「長期介護を見据えた経済性(コスパ)」の重視傾向が顕著でした。
●レンタル利用者が重視する点
1位 : 介護保険が適用される(55%)
2位 : 費用を抑えたかった(51%)
3位 : アフターサービスが受けられる(36%)
4位 : 体格や症状に合わせて交換できる(27%)
5位 : 専門員による操作方法の説明がある(27%)
「介護保険が適用される」「費用を抑えたかった」がともに50%を超えており費用面での負担軽減が最も重視されています。レンタルでは、月々の都度払いのため、1回で高額を支払う必要がないことが、選択の理由になっていると考えられます。
また、「アフターサービスが受けられる」「体格や症状に合わせて交換できる」「専門員による操作方法の説明がある」といった制度・サービス面も重視されていいました。
◆費用感は購入だと6~10万円未満、レンタルは月額800~1,200円未満が納得ライン
費用面では、多くの人が「高すぎず、納得できる価格かどうか」を重視していることが分かりました。

「介護ベッドの費用はだいたいどのくらいですか?」
購入の場合、最も多い価格帯は「6~15万円未満」ですが、10万円以上になると「やや高い」と感じる人が多く、納得できる価格は「6~10万円未満」と考えられます。
レンタルの場合は、「月額800円以上」が最も多い価格帯ですが、1,200円以上では「割高」と感じる割合が増加。「月額800~1200円未満」が納得できる価格のラインだと考えていることがわかります。
しかし、全体的に見ると「予算内に収まっている」と回答した人の割合は、購入派が約45%、レンタル派が約60%であり、多くの人は「安ければよい」ではなく、「納得ができる妥当な価格」を重視していると思われます。
◆満足度は介護される人・介護する人ともに75%以上
介護ベッドの満足度は非常に高く
介護される人 : 75%
介護する人:76%
という結果になりました。

「介護ベッドの使い心地に満足していますか? 」
満足度に繋がった要因は「補助がやりやすくなった」ことが多くを占めていました。
逆に不満点として目立ったのは、「ベッド下の掃除がしにくい」「ベッドの重みで畳がへこんでしまった」「病院のような見た目で気分が沈む」といった、生活面・空間面に関する意見でした。
一方で、機能面での不満は特になく「リモコンと手動どっちも使いたい」「手すりの感覚が調整できるとありがたい」など「今ある機能にもう少し融通が利けば更にいいのに」に留まったことが特徴です。 介護ベッドの機能水準がいかに高いかが窺い知れます。
◆満足度は介護される人・介護する人ともに75%以上
「今回の調査から『介護ベッドの利用はレンタルが主流』という現実とともに、購入・レンタルそれぞれに明確な選ばれる理由があることが判明しました。
レンタルは費用を抑えやすく、介護保険制度を活用できる点が安心材料となり、購入は長く使うことを前提に、コストパフォーマンスや衛生面への納得感が重視されています。
また、費用への納得感や、利用満足度は購入・レンタルともに高く、総じて介護ベッドは水準の高い福祉用具であると言えます。
介護ベッド選びで大切なのは『どちらが正解か』を決めつけることではなく、介護の期間や状況、本人や家族の考え方に合った選択をするのがよりよい介護生活に不可欠ではないでしょうか」(介護ポストセブン・介護マーケティング研究所 編集長・大橋拓哉)
※掲載しているデータは調査の一部です。掲載していないデータや自由記述設問に寄せられたコメント詳細については、以下までお問い合わせください。お問い合わせの際は、企業・部署名をご明記ください。
介護マーケティング研究所
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担当:小学館 メディアビジネス局
【出典の記載についてのお願い】
本記事で紹介されている調査データは、自由に引用いただけます。その際は、以下のように出典をご記載ください。
出典:介護ベッドの選択肢を調査データで徹底解析!購入vsレンタルの消費者意識(介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン)
https://kaigo-postseven.com/211330
『介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン』は、現在まさに介護中の方、介護に関心の高い方のリアルなデータをもとに、ユーザー動向分析・マーケティング・認知度向上・商品開発に役立てられるサービスを展開しています。
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