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プレスリリース配信元:株式会社ギミック
開業医に共通する課題は「採用」と「連携」。採用は柔軟な戦略、連携は診診・介護の強化がカギに
日本最大規模の医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」をはじめ、医療特化型プラットフォーム事業を展開する株式会社ギミック(本社:東京都渋谷区、代表取締役:横嶋 大輔、以下「当社」)は、全国の開業医523人を調査した「開業医白書2025」を発表しました。
「開業医白書」は日本最大級のクリニック情報サイト「ドクターズ・ファイル」を運営する当社が、これまでに全国約3万人の医師へ取材を行ってきた「ならでは」の知見を生かして、クリニックの現実や開業医の課題を定性的・定量的に明らかにした調査データです。
開業医が未来に向けてクリニックをアップデートするための一助としてもらうとともに、医師だけでなく、患者や行政、そして地域社会もそれぞれの立場から「新たな知見」を得て、より良い地域医療を実現するきっかけとしてほしい――そんな想いからスタートしました。
2023年に最初のデータを発表し、3回目となる今回は、「連携」にフォーカスし、地域医療の現状と課題を多角的に分析しているのが特徴です。

■調査概要
1.開業医"連携”実態調査└ 病診連携/診診連携/介護との連携
2.開業医"人物”実態調査
└ 労働時間/睡眠時間/休日/やりがい/自己研鑽/情報収集/システム導入/広告
3.開業医"悩み”実態調査
└ 悩み/採用方法/採用課題/採用プロセス/スタッフ定着/労働環境/相談相手
4."開業するということ”実態調査
└ 開業満足度/開業動機/開業準備期間/開業資金/開業準備不足/引退時期/継承予定
▼「開業医白書2025」のダウンロードはこちら
「開業医白書2025」をダウンロード
■主な内容
【病診連携】「非常に連携が取れている」開業医はわずか2割理想の病診連携への鍵はコミュニケーション
地域医療を担う開業医にとって、病診連携は不可欠です。調査では「連携が取れている」と実感する人は約7割に上りましたが、内訳を見てみると「非常に連携が取れている」の回答は全体の2割程度で、「理想の病診連携」を実現できているクリニックは少数派でした。一方必要性を感じていない人は1%未満で、「開業医は病診連携に必要を感じながらも、多かれ少なかれ課題を抱えている」ことがうかがえる結果となりました。
さらに深掘りしていくと、「連携は必要だが課題あり」と考える開業医からは、「時間不足」や「逆紹介の不満」などの声が寄せられています。一方「非常に連携が取れている」と答えた医師の多くは、勉強会や交流会への参加、定期的な顔合わせなど、自ら積極的に動き「顔の見える関係」を築いていることも明らかになりました。

【診診連携】医師会活動を基盤に連携を図るも
診診連携が充足している開業医は1割に満たない
クリニック同士の連携の実態を見てみると、「連携が取れている」(非常に連携が取れている+ある程度連携が取れている)と答えた人は46.6%と約半数。中でも「非常に」連携が取れているのはわずか8.0%で、全体の1割以下にとどまる結果に。

【医療介護連携】介護との連携を「ある程度以上に取れている」開業医は35.9%
診療科によって連携の「必要性」に大きな違いが
クリニックと介護施設の連携状況を調査した結果、「非常に連携が取れている」「ある程度連携が取れている」と回答した開業医は合わせても35.9%にとどまりました。
「連携が取れていない」背景には、「(介護領域との)交流の機会がない(少ない)」「連携方法がわからない」といった課題も挙げられており、連携の必要性を感じながらも具体的な取り組みに至っていないケースが少なくありません。

【開業医の悩み】医師全体の54.5%が「スタッフの採用」に悩み
高齢層は特に「医療DX」への苦手意識あり
開業医の最大の課題は「スタッフ採用」で、回答者の半数以上が悩みとして挙げ、過去3年連続で最上位 となりました。次いで「集患・増患」「経営戦略・事業運営」が続きますが、注目すべきは今回新設した「医療DX」で、25.4%が課題と回答しました。導入コストやスタッフ教育、患者理解など、DX推進に伴う課題は多岐にわたり、世代を問わず不安が広がっています。
また「スタッフとのコミュニケーション」は、40代以下で31.1%と高く、開業初期に課題を感じやすい傾向が見られました。さらに、スタッフの充足度が低い場合、「採用」「離職率」「業務量」など複数の悩みが連動することも明らかになっています。

【採用方法】40代ではハローワーク利用率が半数以下
WEB活用と従来の採用方法の二極化が進行
スタッフ採用方法では「ハローワーク」がどの年代でも最多のため、一見ハローワークが主流に見えます。しかし年代別見ると、高齢層はハローワークや知人紹介を重視している一方で、40代以下はハローワーク利用率が50%を下回り、自院のホームページの活用が35.2%と他の年代よりも高い割合。若い開業医ほど募集要項の提示だけではなく、採用のための情報発信に注力する傾向にありました。採用手法の選択肢が増える今、従来の慣習にとらわれず、自院に合った方法を柔軟に選ぶことが求められています。

【採用プロセス】3割以上のクリニックが書類選考せずに面接を実施
面談や見学の機会を設けることでミスマッチ防止に
採用プロセスでは、院長(採用責任者)との面接以外での採用プロセスを調査したところ、約7割が「履歴書の事前提出」を求めています。裏を返せば、約3割のクリニックでは書類選考を行っていないということです。「職務経歴書の提出」も約半数にとどまり、一般企業では当たり前のプロセスが必須ではない実態が見えてきます。応募者不足に悩む開業医にとっては、まず面接することが優先され、その上で人柄や雰囲気を重視するケースが多いと考えられます。一方で、「院長以外のスタッフとの面談」を設定しているクリニックは44.7%、「院内見学の機会」を設けているクリニックは20.3%でした。

■総評
今回の調査では、地域医療の要である「医療連携」に焦点を当てました。病診連携は進んでいるものの、理想的な連携にはまだ課題が残ります。交流会や勉強会で「顔の見える関係」を築く医師もいますが、時間不足や逆紹介への不満が障壁となっており、今後は病院・クリニック間のコミュニケーション強化が不可欠です。診診連携は医師会活動を基盤に進む一方、ライバル関係や交流機会の減少で個人差が大きいことが判明しました。介護施設との連携はさらに遅れ、方法の不明確さが課題です。
また、開業医の最大の悩みは「スタッフ採用」。応募者不足が深刻で、従来のハローワーク中心から、求人検索エンジンや自院ホームページを活用する動きが広がっています。採用プロセスでは、書類選考を省き面接重視の傾向があり、院内見学やスタッフ面談を取り入れる工夫も見られます。採用課題の解決には、柔軟な採用戦略とプロセス改善が求められています。
■調査方法
・調査期間:2025年9月18日(木)~9月24日(水)・回答数:523人
・対象:全国の30~90代の医科の開業医523人
・調査方法:インターネットでのパネル調査
※インターネット調査のパネル委託先:「マクロミル」
※表、グラフなどに用いられる「n」は、各設問に対する回答人数です。また、構成比(%)の数値は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%とならない場合があります。
※本白書内での「大都市圏」は「東京、神奈川、千葉、埼玉、名古屋、大阪、京都、兵庫、福岡」を指しています。
「開業医白書2025」をダウンロード
■「クリニック未来ラボ」とは
「クリニック未来ラボ」は、開業医、開業を目指す勤務医・医学生に向けたクリニック経営支援メディアです。独自の視線で調査・研究し、より良い医院経営に役立つ情報として発信しています。より良い医院経営にお役立ていただけるような全国のドクター向けの医療コラムを掲載しています。https://cl-mirai-lab.doctorsfile.jp/
■「ドクターズ・ファイル」とは
「ドクターズ・ファイル」は、身体の症状・悩みに合わせ、全国のクリニック・病院、ドクターの情報を調べることができる医療情報サイトです。診療科目、地域、沿線・駅、診療時間、医院の特徴といった情報からだけではなく、気になる症状、病名、検査名などからも、最適なクリニック・病院、ドクターを探すことができます。「ドクターズ・ファイル」では全国のドクターの想いを編集部が直接取材し、診療方針や医療の道を志したきっかけ、専門としている治療や検査などを紹介しています。医師への総取材数は3万件にのぼる、日本最大級のクリニック情報サイトです。https://doctorsfile.jp/
■会社概要
株式会社ギミック代表取締役社長 兼 社長執行役員 CEO:横嶋 大輔
本社:東京都渋谷区南平台町2番17号 A-PLACE渋谷南平台3階・5階(総合受付)・7階
https://www.gimic.co.jp/
「健康を願う人と守る人の『不』を『希望』に」というパーパスのもと、新・医療文化創造を掲げ、医療に関わるすべての人が抱える「不安」「不信」「不便」など様々な「不」を取り除くサービスを提供。
主力サービスは、患者にとって最適なかかりつけ選びをサポートする医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」、医療情報マガジン「頼れるドクター」。その他、医療機関専用情報共有アプリ「ドクターズ・ファイル メディパシー(medipathy)」、クリニック専用人事評価/人材マネジメントシステム「ドクターズ・ファイル クリニコ(CLINICO)」、医療系求人情報サイト「ドクターズ・ファイル ジョブズ(JOBS)」など、医療特化型のプラットフォームを展開。
ドクターズ・ファイル: https://doctorsfile.jp/
ドクターズ・ファイル メディパシー(medipathy): https://medipathy.doctorsfile.jp/
ドクターズ・ファイル クリニコ(CLINICO): https://clinico.doctorsfile.jp/
ドクターズ・ファイル ジョブズ(JOBS): https://doctorsfile.jp/jobs/
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