事故原因とされるハッチは「違和感がなかった」と証言しました。
北海道の知床半島沖で遊覧船が沈没した事故で、運航会社社長の2回目の裁判が開かれ、船を検査した機関の職員への証人尋問が行われました。
「ハッチについてあなたは『目視で確認した』と話していました。船首甲板での検査の時間は?」(弁護側)
「5分くらい」(JCI職員)
「その中でハッチもみていた?」(弁護側)
「はい」(JCI職員)
証言台に立ったのは沈没した遊覧船KAZU1を、事故前に安全検査をした日本小型船舶検査機構・JCIの職員です。
「外観検査についてなぜ開閉検査をしなかった?」(弁護側)
「違和感がなかったからです。異常は認められなかったので目視で確認しました」(JCI職員)
釧路地裁で開かれた知床遊覧船の社長・桂田精一被告の2回目の裁判。
桂田被告は知床半島沖で2022年、悪天候が予想される中で遊覧船を出航させ、乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明となる沈没事故を起こし、業務上過失致死の罪に問われています。
これまで無罪を主張している弁護側は事故前JCIによる中間検査に不備があったと指摘。
これに証人尋問でJCIの職員らは当時の検査に不備はなかったと述べています。