多くの善意が寄せられ、工事が完了しました。国の名勝に指定されている八代市の松浜軒で、倒壊する恐れがあった長塀の復旧工事が完了しました。

八代市の松浜軒は、肥後細川藩の家老で八代城主だった松井 直之(まつい・なおゆき)が母親のために建てた茶屋で、国の名勝に指定されています。

しかし、庭園を囲むように建てられている長塀のうち、東側の高さ2メートル、長さ32メートルの基礎部分が近くのクスノキの根の影響で持ち上がっていて、塀が歩道側に倒れる恐れがあるとして去年5月から復旧工事が進められてきました。

工事には文化庁や八代市の補助のほかにクラウドファンディングで3000万円を超える資金を調達。

また、使用する屋根瓦や木材もできるだけ以前の物を再利用しながら伝統的な技法で修復しました。

工事期間中のことし8月には、記録的豪雨の影響で土壁の一部が浸水する被害も出ましたが、このほど無事、工事が完了。

12月3日に竣工式があり、神事を行い、工事の完成を祝いました。

【松井家第14代当主 松井 葵之(みちゆき)さん】
「うれしいですね。大勢の人の気持ちの〈結晶〉と思って、末永く大事にしなければならないと思う。松浜軒の静けさと趣を包んでくれる大事な塀なので、塀はもちろんだが中の庭も一緒に楽しんでもらいたい」

テレビ熊本
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