高校生が不登校の子供たちを支援するアプリを開発しました。
開発のきっかけは自分自身の不登校経験。
そして、国内の不登校児童・生徒数が過去最多を更新し続けるなか、不登校で苦しむ人を助けたいという気持ちでした。
不登校の人たちを支援する無料アプリ、名前は「ルミナス」です。
性別・年齢、原因となっている悩みなどを入力すると、不登校で苦しむ人とかつて不登校を経験し、克服した人が交流できる仕組みです。
チャット形式で悩みを相談したり、復帰までのノウハウも共有できます。
アプリを開発したのは現役の高校生、長崎県内の高校に通う2年生の林洋治(ひろや)さん(16)です。
洋治さんも、2025年春、原因不明の体調不良に襲われ、学校に行けない日がありました。
高校2年生 林 洋治さん
「行きたくても行けない日が何日かあって、誰かに話すことが大切だなと、アプリを通して悩みを相談してアドバイスをもらったりして、状況がよくなってほしいという思いで開発した」
洋治さんは家族の支えもあり、現在は再び高校に通うことができていますが、自らの経験で実感したのは「理解者・共感者の大切さ」でした。
独学でアプリ開発の勉強を始め、8月から本格的に取り組んできました。
苦しむ人を1人でも減らしたい…そんな思いからでした。
文部科学省が2025年10月に発表した2024年度の不登校児童・生徒数は35万3970人。
12年連続で増え、過去最多です。
割合は26人に1人。
県内では過去最多の4113人で、9年連続で増え続けています。
不登校の子どもや保護者のための相談窓口はすでに数多く設けられていますが、洋治さんが相談相手として着目したのは「不登校の経験者」でした。
高校2年生 林 洋治 さん
「どうやって悩みを克服したのか、ノウハウとか過去に経験した人から具体的なアドバイスをもらって」
「より近い状況にあった人と話をすることに意味があると思う」
「周りに話せないことも恥ずかしい気持ちもあるのでアプリで気軽に話してほしい」
不登校者支援アプリ「ルミナス」は、年内の運用開始を目指します。
利用は無料で、暴力的など不適切な表現はAIがブロックして投稿ができないようにするなどの機能を備え、安心して使えるように工夫しました。
アプリの無料提供と運営を続けるための費用は、クラウドファンディングで資金を募り、目標金額を超える資金が集まったということです。
将来的には全国の不登校支援団体との連携も視野に、支援の輪を広げていきたいと話しています。