新鮮なネタがカウンターにずらりと並ぶ寿司店。
仕入れるネタにはあまり聞いたことのない名前の魚が多く含まれています。

今、こうした珍しい魚への注目度が高まっているんです。

取材班が訪れたのは、埼玉・蕨市にある寿司店「鮨 ヒカリズキ」。
本マグロの赤身やマダイ、サンマなど新鮮な海の幸を握りで味わいます。

この日、オススメのネタの1つとして提供されていたのがクロシビカマスです。
その身をひと口サイズに切ったのち、表面をバーナーでサッとあぶって握ります。

他にも、口の長さが特徴のアカヤガラ、また、ヒメジなど珍しい魚を多く取り扱っています。

こうした魚をあまり見かけないのには訳がありました。

鮨 ヒカリズキ・山川忠康さん:
処理もありますし、豊洲市場に売ってないからです。豊洲にそういうお魚が揃ってないので、皆さん知らない、使ったことがないというのが一番の原因です。

知名度の低さや処理する手間などの問題などで市場にあまり出回らないという魚たち。

例えばクロシビカマスは、骨が多く処理が難しいことから流通量が少ないそうです。

取材した寿司店では、こうした魚を神奈川県内の漁港などから丁寧に処理された状態で仕入れているため、提供できているのだといいます。

鮨 ヒカリズキ・山川忠康さん:
もっと知らない魚があったらどんどんチャレンジしてみたいし、知らないものでおいしいものがあったら、それはやっぱり色んなお客さまに知ってもらいたいから、どんどん使っていきたいと思います。

珍しい魚を積極的に扱う取り組みは広がりを見せています。

福島・相馬市にある一部の小中学校では、2025年2月、地元でとれた流通量が少ない白身魚「ニギス」を食育授業の一環として給食で提供。

三重・南伊勢町の小中学校でも、珍しい魚を使った給食が提供されました。

また、福岡県にある会社では、市場に出回らない魚を水揚げされたその日のうちに冷凍加工するなどして、新鮮なまま自宅に届けるサブスクサービスを実施しています。

フィシュル!・井口剛志社長:
これまで累計で大体200種類くらいの魚を扱ってます。活用したことがないお魚に関しても、積極的に活用していきながら、本当により多くの魚たちにスポットライトを当てていけるといいなと思う。

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