名古屋の東山動植物園のアイドル、コアラ。実はその食費が年間6000万円もかかっています。そこで、ふるさと納税型のクラウドファンディングが始まりました。
■「お金がかかる」動物園のアイドル
東山動植物園の人気者といえばコアラ。その姿を一目見ようと12月5日、多くの家族連れが訪れていました。
来園者ら:
「もふもふな感じ、丸っこい感じとかかわいいです」
「初めて見た。かわいいなと思いました」

そんなコアラの餌といえばユーカリですが、これが東山動植物園の悩みのタネになっているそうです。
東山動植物園の茶谷動物園長:
「普通の市場では売っていないものですから、動物園で栽培せざるを得ないんです。費用が年間約6000万円かかります」
園では、9頭のコアラそれぞれが好む20種類以上のユーカリを通年で用意するため、愛知県のほか沖縄県や鹿児島県など全国4カ所で栽培しています。

園内に450種類ほどいる動物の餌代は合わせて1億円ほどなのに対して、これとは別に、コアラはユーカリの栽培にかかわる費用だけで年間でおよそ6000万円かかります。
茶谷動物園長:
「栽培にかかる肥料のお金や、人件費なども上がっていますので、今後ますます厳しい状況になってくると思っています」
名古屋の平和公園では、屋内外でユーカリが栽培されています。

冬用のエサのためにはハウス栽培が必要で、12棟あるハウスの定期的なフィルムの張り替えなどの設備費や、県外からのユーカリの輸送費など、市場に出回らないユーカリを自力で調達するため、あらゆるものにコストをかけています。
■”クラファン”でコアラを応援 ユニークな”返礼品”も
そこで12月から始まったのが、クラウドファンディングです。寄付金はユーカリの確保に充てられ、目標金額は1500万円です。気になる返礼品は…。
名古屋市東山総合公園管理課の担当者:
「コアラが食べ残したユーカリの枝を使いアップサイクルしたタンブラーです」

7000円の寄付では、コアラはもちろん、ニシゴリラのシャバーニやレッサーパンダなど東山の人気の動物が描かれたタンブラー、コアラが食べ残したユーカリなどから作られたTシャツは2万5000円の寄付で手に入ります。(いずれも市外在住者限定)
名古屋市に住む人でも、木から“落ちない”コアラのうん(運)ちが入った、受験生向けの験担ぎしおりなどが受け取れます。

名古屋市東山総合公園管理課の担当者:
「コアラにこれだけお金がかかっているんだということ、活動を通して環境を守ることを考えるきっかけになればと思います。よろしくお願いいたします」
■意外とかかる!?動物たちの”エサ代”
コアラの飼育にはエサ代だけでも多額の費用がかかりますが、他の動物についても調べてみました。(金額は一頭当たりの年額)
▽愛知県豊橋市の「のんほいパーク」

・ホッキョクグマ:約105万円
馬肉・ホッケ・ハクサイ・リンゴなどを毎日5キロ
・ライオン:約183万円
馬肉や鶏肉を多い時は7〜8キロ
・アジアゾウ:約400万円
干し草中心にリンゴ・キャベツなど60キロ
▽三重県鳥羽市の「鳥羽水族館」

・ラッコ:約250万円
ホタテや大アサリなどの貝類やエビ・イカも食べる
体重は20キロ程度だが、結構大食漢でキロ単位で食べる
・セイウチ:約500万円
ポウちゃん(オス)は体重が1200キロを超えていて
サケ・ホッケなどの魚を1日30キロ食べる
・ジュゴン:金額は非公表だが一番高い
体重は300キロから400キロ
ロメインレタスや「アマモ」という海草を数十キロ食べる
アマモは海外などから仕入れていて、輸送費もかさみ高くなっている

ちなみに厚生労働省によりますと、人間の1年間の食費は1人およそ52万円だということです。
