寒さが厳しくなった12月に入っても、クマの出没が続いている。一体いつになったら冬眠するのか、専門家に聞いた。
冬眠していないクマがいても「普通のこと」
立山カルデラ砂防博物館の白石俊明学芸員によると、「12月上旬は、冬眠していないクマがいても普通のこと」だという。特に今年だけ冬眠が遅れているわけではないが、「誘因物(柿や生ゴミ)が残っているとクマの冬眠が遅れる可能性がある」と指摘している。
実際、12月4日には長野県野沢温泉村で雪かきをしていた男性がクマに襲われる被害があった。
冬でも油断は禁物
白石学芸員は「クマが大量出没した年は、母グマだけが捕獲され、子グマが放浪している。(子グマが)上手に冬眠できずに、真冬に人の近くに出てきてしまうことも過去にあった」と警告する。
5年前には新潟県で1月下旬にもかかわらず、県営住宅の階段の踊り場でうずくまっているクマが発見されたこともある。さらに「私たちの身近なところで冬眠を始めてしまうクマも過去にいた」という。
戸締りと安全行動を

白石学芸員は「冬眠に入らないクマが蔵や納屋に入って、収穫したコメやぬかを荒らすこともある」と注意を促す。冬であっても戸締りをしっかりすることが必要だ。
「冬であってもクマの気配を感じたときには、そのままの流れで物音や気配の正体を確認しにいくのは危険。クマがいるかもと考えて安全な場所に避難してほしい」と呼びかけている。
個体やその年の環境条件により異なるものの、冬でも周囲にはクマがいることを認識しておくことが重要だ。
(富山テレビ放送)
