相次ぐモバイルバッテリーの発火事故。

保管方法に悩む人が増える中、冬本番を迎えても、大きな火災になりかねない事故が発生しています。

11月30日には、熊本市内の中心街で道路に落ちていたモバイルバッテリーが燃え上がる事故が発生。

けが人はいなかったものの、白昼の道路での突然の発火事故に、現場は騒然としていました。

モバイルバッテリーといえば、暑い時期に高温の場所に置いておくと発火する事故が相次いでいましたが、気温が下がる冬場にも発火事故が起きていました。

モバイルバッテリーが発火した人:
目を覚ましたら空気が熱い。横を見たら火柱が20cmくらい立っていた。

自宅で就寝中に充電していたモバイルバッテリーが突然発火したという男性。

家には、妻と8歳の娘もいたため背筋が凍ったといいます。

モバイルバッテリーが発火した人:
本当に布団の横だったので、毛布とかではたいて火の勢いを弱め、ケーブル類ごと廊下に出した。一瞬だけ鎮火した。鎮火した後また「ボン!」という破裂音とともに再発火して、洗面器に水を入れて持ってきていったん鎮火した。

幸いにも大事には至らず、右手にやけどを負ったものの、軽傷で済んだといいます。

それでもモバイルバッテリーを手放せないという男性に、今後について聞くと「使わざるを得ないので今回こういう事故があったからこそ、『耐火袋』みたいな物で被害を最低限に抑えるような形で」と話しました。

燃えにくいシートでできた耐火袋。

バッテリーなどをしまっておくと、もし発火しても火を抑えることができ、全日空も機内に搭載している、まさに火の用心なアイテムです。

買い物客からは「これで包むか何かする。入れておけば少しは安心かなと」「(発火したら)危ない。電車や飛行機。知らなかったので(教えてくれて)ありがとう」「熱くなって火が出たら大変。耐火袋も買っとかないと」といった声が聞かれました。

「イット!」は、実際に耐火袋を使用しているという男性を取材。

耐火袋を購入した人:
結構しっかりしていて頑丈にできてます。スマートフォンを充電しながらでも、こうして持ち運びできます。息子の通っている学校の行事の関係で飛行機に乗ることになりまして、山手線とか発火事故があったと聞いたので人ごとではないかなと。年末年始になってこの時に家を失う怖さを考えるとゾッとするので、“転ばぬ先のつえ”ではないが、少しでも安心して暮らせるようになったら。

冬場にも後を絶たない発火事故。

専門家も、様々な場面で注意が必要だと指摘します。

NITE製品安全センター・山崎卓矢参事官:
ストーブですとか、ファンヒーターの前に放置してしまうと発火してしまうというリスクが高まります。ポケットの中に入れたままこたつに入ってしまったり、カイロですね、直接バッテリーに接するような形でお使いになるということは避けていただければと思います。急激な温度変化で、内部で結露が発生して内部ショートを起こすこともございますので、いったん製品を玄関とか廊下に置いていただいてからゆっくり暖かい部屋のほうに移していただく。

備えあればうれいなし。

冬場も事故に備えることが重要です。