閉校間近のスポーツクライミング部
12月に全国大会に出場する宇和島東高校津島分校のスポーツクライミング部。来年度、学校が閉校となる中、部員3人が全力で高い壁に挑んでいる。
技術だけでなく持久力や戦略性が必要
藤本志衿選手(2年):
「お願いします」
安全を確認してから壁を登り始めたのは、宇和島東高校津島分校スポーツクライミング部2年生の藤本志衿選手。藤本選手が取り組む「リード」は、ビル5階に相当する高さ15mの壁を設定されたルートで、制限時間内にどこまで高く登れるかを競う。最大傾度は120度、技術はもちろん持久力や戦略性が求められる。
藤本志衿選手:
「宇和から来ているので、下宿で。このクライミングをするためにきているんで、楽しいですよ、やっぱり」

練習場所は宇和島市のスポーツ交流センター
学校の魅力向上につなげようと2020年に創部され、部員3人で活動しているクライミング部。校内練習はもちろん、学校から車で15分ほどのところにある宇和島市のスポーツ交流センターに、定期的に通いながら練習に励んでいる。
滝澤晃人選手(2年):
「自分は今年からやりだして、(クライミング歴)としてはこの中で一番短いので、本当に努力してみんなに追いつきたいと思っています」
地元の魅力を知る「広報部」との兼部で今年4月に入部した滝澤晃人選手。顧問の小島先生の勧誘が実った。
小島裕美先生:
「身体能力が高いというのは1年の時から感じていたんですけど、広報部もがんばっていたし、勉強もがんばりたいと断られていた。ちょっと運動したくなったところをつついたら来てくれました」

元陸上部のガッツのある登りが得意
松岡紗和選手は中学時代に陸上部で磨いた瞬発力を生かし、ガッツのある登りが得意。
松岡紗和選手(2年):
「高いところがちょっと苦手なので‥、案外下を見なかったら怖くない。もうここだけしか見えないから」
松岡紗和選手:
「登れた時の達成感、そういうのがデカくて。みんなに登れたじゃん!と言われるのがうれしい」

最後の津島のクライミング部
戦後間もない1948年に開校した津島高校から、2021年に宇和島東高校の分校になり、少子化の影響などが続き2026年度末での閉校が決まった。今年度から生徒の募集を停止していて、クライミング部は閉校と同時に幕を下ろすことに。2年生のこの3人が最後の部員となる。
藤本志衿選手:
「最後の津島のクライミング部の名前を背負う訳で、そういったところで頑張っていかないといけないと思います」

全国の壁に挑む
5年前の創部以来、練習場所の交流センターや宇和島山岳会の協力も得て活動してきたクライミング部。地元の応援を力に78年の歴史に幕を下ろす津島分校の名を背負って全力で全国の壁に挑む。
部員全員:
「宇和島東高校津島分校スポーツクライミング部の青春とは。#ガンバ」

