2022年に安倍元総理を手製の銃で撃って殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判はきょう=4日、予定では最後となる山上被告への被告人質問が行われています。

山上被告は弁護側の質問に答える形で、安倍元総理の妻・昭恵さんに対し、「弁解の余地はありません。非常に申し訳ないことをしたと思っています」と謝罪の言葉を述べました。

そしてそのあとの検察側の質問で「事件を起こしてよかったと思っていますか?」と聞かれると、「私や統一教会の被害者にとっては良い面もあったが、全体としてどうだったかは、いろいろ関わるので一概には言えない」と答えました。

■事件起こしてよかった?に「私や統一教会の被害者にとっては良い面もあったが…」

検察側と山上被告の被告人質問でのやり取りは以下のようなものです。

【検察側】「報道されたいという思いはあったのでしょうか?」
【山上被告】(少し沈黙)「その方が統一教会に打撃を与える意味ではあったと思いますので」

【検察側】「犯行動機が報道されたら統一教会の評価が下がると思ったのはあなたの考えか?」
【山上被告】「なかったとは言えない」

【検察側】「事件を起こしてよかったと思っていますか?」
【山上被告】「私や統一教会の被害者にとっては良い面もあったが、全体としてどうだったかは、いろいろ関わるので一概には言えない」

■「非常に申し訳ないことをした」「謝罪の手紙送ると受け取らざるを得ないと見送り」

このやりとりの前には、弁護側の質問に答える形で、山上被告は安倍元総理の妻・昭恵さんたちに向けて、謝罪の言葉をうつむきながら淡々と話していました。

【山上被告】「安倍昭恵さんをはじめ、首相のご家族には何の恨みもありませんので、殺害したことで3年半つらい思いをされてきたことは間違いない。

わたしも突然、肉親が亡くなるのは経験したことなので、弁解の余地はありません。非常に申し訳ないことをしたと思っています」

■安倍昭恵さん被害者参加制度を利用 3日法廷で参加も何も語らず

安倍元総理の妻・昭恵さんは被害者参加制度を利用していて、きのう=3日、初めて法廷で裁判に参加していました。

被害者参加制度では、被告人質問で被告に直接質問したり、意見陳述をしたりすることや、被害者側としての求刑をすることができます。

昭恵さんは3日の被告人質問では質問せず、法廷を後にしていました。

■これまでの裁判では上申書が読み上げられることも

これまでの裁判では安倍昭恵さんの上申書が読み上げられる場面もありました。

【安倍昭恵さんの上申書より(一部)】
夫の手を握り、耳元で「しんちゃん、しんちゃん」と名前を呼びました。

夫の体はまだあたたかく、手を握り返してくれたような気がしました。

待ってくれていたのだと思いました。

心臓マッサージをしてくれていたスタッフに「もう結構です」と声をかけて午後5時3分に息を引き取りました。

夢の中の感覚で、悲しい・つらいという気持ちすらなく、涙も出ませんでした。

関西テレビ
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