80年前の岡山空襲を岡山市の学校の寄宿舎で経験した93歳のシスターが12月3日、母校のノートルダム清心女子大学で講演し、平和の大切さを訴えました。

(ナミュール・ノートルダム修道女会 小田程子シスター)
「空襲だからすぐに下に降りてくださいと言われ、慌てて防空頭巾などを持って外に出ました」

学生たちに当時の様子を語るのはナミュール・ノートルダム修道女会のシスター・小田程子さん。小田さんは1944年、岡山空襲の前の年、清心中学校の前身、清心高等女学校に入学しました。

1945年6月29日未明、アメリカ軍が約9万5000発の焼夷弾を投下し、岡山市街地の63%を焼き尽くしました。学校の敷地は奇跡的に大きな被害は受けませんでしたが、寄宿舎で寝ていた当時13歳の小田さんは死を覚悟し、時には、けんかすることもあった友人4人で身を寄せ合い、戦火をくぐり抜けました。

(ナミュール・ノートルダム修道女会 小田程子シスター)
「死ぬと思ったのでみんなで極楽に行きたいね。ごめん、ごめんと謝り合ったのは今でも懐かしい」

大学を卒業後、シスターになった小田さん。若い人たちに「あなたはきょうが一番若い」という言葉をよく送ると言います。

(ナミュール・ノートルダム修道女会 小田程子シスター)
「いくら考えても過去は帰ってこない。過去がこうだったらと思っても過去は帰ってこない。そしてあす、未来がどうなるかは分からない。何が起こるか分からない。それを色々心配しても仕方がない。だから私はきょうを、希望を持って生きる」

93歳の小田さん。今も願うのは世界の平和です。

(ナミュール・ノートルダム修道女会 小田程子シスター)
「戦争は絶対に駄目だが今も行われている。色々心配しても何もできない。そういう何もできない自分が情けない。でも何とか良くなってほしい」

岡山放送
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