「大手電機メーカーが開発した3秒で部屋が暖まる暖房送風器」
SNSを見ていた60代の男性がふと目にした広告。男性は気になって購入してみたものの、届いたのは大手電機メーカーのロゴもない、無関係と思われる商品だった。使ってみたが、3秒どころか、全く暖まらない。販売事業者に返品交換を求めたが、連絡が取れなくなったという。
これは国民生活センターに寄せられた相談事例だ。
冬の時期には、SNS広告や動画サイト内広告、アプリ内広告など様々な広告媒体で、ダウンジャケットやヒーターなどの冬物商品に関する広告が多く表示されるようになる。
しかし、その広告の中には、有名ブランドや大手電機メーカーの正規品であるかのような広告を表示する悪質な通販サイトもあるという。
外国から模倣品や粗悪な商品が届き、事業者と連絡がつかないというトラブルにつながるおそれもあるという。
40代の男性は、ネット検索中に目にした広告にブランド品のダウンジャケットが格安で出ていたため注文した。代引きで届いた商品を見てみると、ブランドのロゴが違っていた。中に入っていたのはダウンではなく綿で、薄っぺらいものだったという。
男性はメールで返品希望を伝えると、事業者から「返品はメッセージアプリで申し出てほしい。1~2日後に返金する」と返信があり、メッセージのやり取りをしたが、文章が不自然で、返金されなかったそうだ。
また60代の女性は、SNSのセール広告でブランド物ジャケットが2着まとめて購入すると安くなると書いてあったため、2着を代引き配達で申し込んだ。しかし届いた商品のうち1着は、MサイズをオーダーしたのにLサイズだった上、もう1着のジャケットは白色のはずが赤色であった。
商品は海外から発送されたようで、ブランドも偽物だと思われた。宅配便業者に連絡したが、詳細は分からないと言われ、荷札に差出人情報もなく、購入したサイトももう見られないという。
国民生活センターは、例年、こういった悪質な通販サイトとのトラブルが寄せられるとして、大幅な割引や極端に安価なセール広告には注意する必要があると注意を呼びかけた。