私たちが病院を受診する際に必要な健康保険証。従来の保険証の有効期限が12月1日で切れ、2日からマイナンバーカードに機能を紐づけた「マイナ保険証」に移行します。しかし、利用率は岡山・香川でも伸び悩んでいて、普及が課題となっています。

◆「出せばいいだけ」「1枚でピッとできる」マイナ保険証で簡単に受付を済ませる利用者

岡山市北区にある岡山市立市民病院です。窓口にはカードリーダーが設置され、訪れた人はマイナ保険証をかざし受付をしていました。

(マイナ保険証利用者・70代)
「(使い始めて)1年くらい。(従来と)一緒です。出せばいいだけなので」
(マイナ保険証利用者・40代)
「(使い始めて)1年半くらい。子供の保険証はたくさんあるから全てを入れるのが面倒だったが、1枚でピッとできるので便利」

◆「保険証ではだめですか?」過去のトラブルの記憶が…病院窓口で戸惑う患者の姿も

この病院では6割以上の患者がマイナ保険証を利用していますが、窓口では2日からの移行に戸惑う人の姿もみられました。

「マイナンバーカードお持ちですか?」
「保険証ではだめですか?」
「マイナンバーをお持ちでしたら皆さんにお願いしてまして」

(12月2日に登録した人・70代)
「きょうから(マイナ保険証を)出してくださいと言われたから登録しただけ。あまり使いたくないけどマイナカードができた時もトラブルがあって、そういうのが出てきたら嫌だと思う」

◆伸び悩む「マイナ保険証」利用率…岡山県で36.75%

医療の利便性向上と効率化を図ろうと国が普及を進めている「マイナ保険証」。従来の保険証は自営業などの国民健康保険に加え、会社員や公務員など多くの人が該当する社会保険についても1日で期限切れとなり、2日から完全に移行します。

しかし、その利用率は2025年10月末時点で、岡山県で36.75%、全国でも37.14%と伸び悩んでいて普及が課題となっています。

(受付スタッフは…)
「1分もかからないくらいの作業。機械で登録することが可能なので一つ一つの手続きと共にどのようなメリットがあるかなども伝えながら登録の作業をサポートしている」

◆従来の保険証は特例で26年3月末まで 処方される薬の重複チェックもでき「リスク回避」のメリットも

期限切れとなった保険証は2026年3月末までは特例で使用できますが、その後は、マイナ保険証か健康保険協会などが配布する資格確認書が必要になります。

(岡山市立市民病院医事課 藤井攝雄課長)
「過去の診療データを確認することができるので、他の病院で処方されている薬、当院で先生が処方しようとしている薬が重複していないかどうかチェックも簡単にできるようになる。リスク回避という面でも患者さんにメリットがある」

国は医療機関と連携し早めのマイナ保険証への移行を呼びかけています。

岡山放送
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