資材の高騰に伴い住宅の価格も上がる中、近年増えているのが超長期ローンを利用する人たちです。最近では返済期間が50年という商品もありますが超長期ローンのメリットとデメリットとは？
夢膨らむ憧れのマイホーム。
男性：
海の近くがいい
男性：
服が多いので、ウォークインクローゼットがあればいい
女性：
和も洋も好きなので、和洋折衷の家がいい
ただ、昨今の物価高や人件費の高騰は住宅業界にも直撃。
女性：
何十年もローン組むのは未来が想像できない
女性：
自分の理想（の家）とお金のギャップがありそう
男性：
どんな家を建てるかにもよるが、支払い額が心配
こうした中、いま増えているのが…
男性：
40（年）です
女性：
（住宅）ローンは40年
住宅金融支援機構の調査によると、利用した住宅ローンの返済期間について35年超と答えた人の割合は3年で2.7倍に。
このうち40年超～50年以内との回答は全体の7.1%を占めています。
いま利用者が増えている、いわゆる超長期ローン。
2026年3月に完成を予定している静岡市駿河区池田のマンション。
売り出し価格は3LDKの部屋で4300万円～6400万円台となっています。
ヨシコン・岡本宗平さん：
マンションに限らず、建築資材の高騰を含めて（住宅の）価格自体は上昇傾向にある
ヨシコン・岡本宗平さん：
ここ10年、一番大きい上がり幅でいくと（直近）3～4年にかけて大きく上昇していると言える
不動産経済研究所の発表では新築分譲マンションの価格は全国平均で6082万円と8年連続で上昇。
また、中部圏における新築戸建ての平均価格も約3000万円と10年前と比べて500万円あまり高くなっています。
主な要因は円安に伴う輸入資材の価格高騰やロシアのウクライナ侵攻に端を発した原油高。
さらに、人件費の上昇に加え、働き方改革によって工期が以前よりも延びていることも相場を押し上げる要因となっています。
ファイナンシャルプランナーの伊藤亮子さんは超長期ローンの利用者が増えている背景にはこの住宅価格の高騰があると話します。
ファイナンシャルプランナー・伊藤亮子さん：
住宅ローンの返済期間が長くなれば月々の返済額が下がるので、その意味で家賃を払い続けるよりも自分のものにできるローンを組んででも買いたいという人が多く、そうしたニーズにあわせて商品が開発されていると考えている
例えば金利1.7%で4000万円を借り、いわゆるボーナス返済をなしにした場合、月々の返済額は35年ローンで12万6000円、50年ローンで9万9000円と毎月3万円近い差が生まれます。
ただ、言うまでもなくデメリットも…。
ファイナンシャルプランナー・伊藤亮子さん：
まずはトータルの返済期間、月々2万円下がるとしても長く返済するので、先ほどの試算でいくとトータルで700万円程度、利息を多く支払うことになります
男性：
金利をたくさん取られるイメージです
女性：
50年…20歳で組んでも70歳、ちょっと無理かな
男性：
私たちの時は35年がマックスみたいな時代なので50年というと驚く
このため、伊藤さんは超長期ローンを選択する場合、月々の返済額が減った分は生活費に充てるのではなく投資に回すべきだと指摘。
なぜなら、金融庁が提供しているシミュレーターの計算上では想定利回り2%という条件のもと毎月2万円を50年間積み立てると運用収益は848万円となり、追加利息を上回るからです。
ファイナンシャルプランナー・伊藤亮子さん：
短いローンだと払えないような家計の状況だと50年ローンはおすすめしない。月々返済が少ないので安心だと思うが長く返していくという責任を持つことにもなるので、未来への備えも別で資産形成でしながら、借りると増やすの両方をしていくことが大事
マイホームはまさに一生の買い物なだけに、様々な想定や計算をした上で将来大変な思いをすることのない選択をする必要があります。
