2024年11月、鹿児島市で4人が死傷した事故の裁判です。
ブレーキとアクセルを踏み間違えて車を暴走させたとして、過失運転致死傷の罪に問われている85歳の女に検察は禁固3年6カ月を求刑しました。
足早に鹿児島地裁の法廷に向かうのは、過失運転致死傷の罪に問われている吉崎順子被告です。
起訴状などによりますと、吉崎被告は2024年11月、鹿児島市下荒田1丁目で普通乗用車を運転し、交差点を右折する際にブレーキとアクセルを踏み間違え、横断歩道と歩道にいた男女4人をはねたとされています。
この事故で歩道上にいた鹿児島県姶良市の会社員、今西和隆さんが死亡し、3人が重傷を負いました。
これまでの裁判で吉崎被告は罪を認めていて、後期高齢者となった75歳以降、5回の交通事故を起こしていたことが明らかになっています。
1日の公判に上下とも黒のスーツ姿で現れた吉崎被告。
検察は論告で次のように指摘しました。
検察
「基本的な運転規則を順守していれば、十分に回避可能な事故だった。被害結果は極めて重大で、被害者、及びその家族は厳重処罰を望んでいる」
4人を死傷させた結果の重大性を指摘。その上で、
検察
「諸般の事情を考慮すると、被告人を禁固3年6カ月に処するのが相当」
被告に禁固3年6カ月を求刑。
弁護側は吉崎被告に前科がないことや、被害者の1人と示談が成立していることなどから、執行猶予付きの判決を求め、裁判は結審しました。
公判の最後、裁判長から発言を許された吉崎被告は次のように述べました。
吉崎被告
「被害者とその家族の皆さまの人生を全て失わせてしまい、申し訳ございません。本当にすみませんでした」
時折、声を詰まらせながら謝罪の言葉を繰り返した吉崎被告。
高齢者による交通事故が社会問題化する中、注目の判決は2026年1月15日に言い渡されます。