12月に入った1日、視聴者のカメラが捉えたのはゴルフボールよりも大きなひょうです。
発達する低気圧の影響により天気の急変が相次ぎました。
夜明け前の空から巨大なひょうが降ってきた場所は秋田県の八峰町。
ひょうを手に取ると、その大きさが非常によく分かります。
撮影者:
ゴルフボールよりも大きいのもありました。でこぼこしたのとかツルツルしたのとか、いろんなのが。
ゴルフボールよりも大きなひょう。
撮影者も「初めて見た」と驚きを隠せない様子でした。
撮影者:
あられだと思ったんですが、外が真っ白になったあとに屋根に落ちる音が、ゴンゴンっていうすごい音がしてきて、ちょっと窓から外を見たら、見たことないようなの(ひょう)が落ちてて。歩いてたりとかしたら絶対けがしてると思うし、車もし走ってたらガラス割れるとかしてたんだろうなって思うとゾッとします。
正午前には大館市でも雷が鳴り、ひょうが激しく降り出しました。
北秋田市では、あられ交じりの雷雨となり、排水パイプから勢いよく雨水が流れ出し、無数のあられがアスファルトに弾かれていました。
ひょうや雷雨など天気の急変が相次ぐ一方、師走の空では異例ともいえる現象が起きています。
午後3時ごろの福岡・北九州市から関門海峡を望む空の映像を見ると、遠くがかすんでいるように見えます。
1日、日本海側を中心に注意が呼びかけられたのは黄砂。
11月30日は熊本・八代市でも、車に付着した黄砂がカメラに捉えられました。
茶色いほこりがまだら模様のようにボンネットなどを覆っていました。
撮影者:
車がすごく汚れてて、それで車のフロントガラスも汚れてて、前が見えないぐらい汚れてたので、率直にすごくびっくりしたなっていう感想。どのタイミングで洗車すればいいかみたいなことはちょっと考えたりする。
2日にかけては東京でも黄砂が観測される見込み。
実際に師走の東京で黄砂が観測されれば実に43年ぶりとなります。
この異例ともいえる“師走の黄砂”。
心配なのは体への影響です。
すでに東京都内のクリニックには、先週から飛来している黄砂によるとみられる症状を訴える患者が受診に訪れていました。
元々ぜんそくや気管支炎を患っていたという70代の女性。
先週、薬を処方してもらっていましたが、せきやのどの痛みなどの症状が出てきたということです。
薬を飲んでいても悪化したという症状。
考えられる要因があるといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
黄砂に付着する化学物質、花粉やダニなどの物質が刺激し合って、通常起こるアレルギー反応や炎症反応をより増強させる働き、これを“アジュバント効果”と言います。
伊藤院長によると、「アジュバント」とは、ワクチンなどの効果を高めたり補ったりする働きのこと。
黄砂の場合、空気中の花粉やダニなどのアレルギー物質と結び付き、人がそれを吸い込むと、このアジュバント効果によりアレルギー反応が強まってしまうのだといいます。
加えて今、列島でまん延しているインフルエンザの患者にも悪影響があるといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
インフルエンザに感染・発症した時に、黄砂を吸い込んでいることによって、より強い炎症反応が起こって、それは痛みであったりとか、せきであったりとか、鼻水であったり、こういった症状が強く出て、場合によっては重症化に関与する可能性がある。アジュバント効果によって喘息発作が起こりやすくなって、しかも感染も起こりやすくなったり重くなるという負のスパイラルになりやすい。
対策としては、黄砂の時は外出しないことが一番ですが、どうしてもという場合は、黄砂を吸わない工夫をすることが必要です。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
黄砂を吸い込んでも何ひとつ良いことはありませんので、黄砂が飛んでくる日は外出を控えて。ベストはサージカルマスクだが、通常のマスクをするだけでも、ある程度効果は期待できる。場合によってはマフラーでも何もしないよりは良い。
黄砂が飛来している時には洗濯物を外に干さず、外から帰宅した際には「うがい」「手洗い」に加え「目を洗う」「お風呂に入る」ことなどが効果的だということです。
師走の空に異例の黄砂。
2日も注意が必要です。
気象庁の黄砂情報によると、1日夜から2日朝にかけて日本海側を中心に黄砂が飛来し、2日の朝からは関東にも達する恐れがあります。
東京で観測されれば12月としては43年ぶりとなります。
1日の東京都心は、最高気温が20度に達するなどポカポカの空模様でした。
2日の予想最高気温も18度と外に出たくなる天気ですが、黄砂に備えマスクをするなどの対策が求められます。