プロ野球 ウエスタン・リーグに参戦している「くふうハヤテベンチャーズ静岡」のネーミングライツをめぐる場外バトルが泥沼の様相を呈している。同球団を運営するハヤテ223が反論したことに対し、くふうカンパニーホールディングスが“再反論”した。
くふう側が突然の“三行半”
2024年からウエスタン・リーグに参戦している「くふうハヤテベンチャーズ静岡」をめぐっては11月28日、くふうカンパニーホールディングスがネーミングライツに関して球団を運営するハヤテ223に「重要な一部契約不履行」があったとして資本業務提携の契約解除を通知した。

くふうカンパニーホールディングスによれば、ハヤテ223に対して抗議するとともに契約不履行の解消を求めて協議を続けてきたものの合意できなかったとしている。
ハヤテ側は反論 声明でくふう側を非難
こうした中、ハヤテ223は11月30日、チームの公式ホームページ上で声明文を発表し、「本ライツにかかる契約に関し、当社に債務不履行は存在せず、当社は本契約を適切に全うしている」と反論した。
ハヤテ223は「球団名に来ホルダー社名を冠して2025シーズンも無事に満了した。しかしながら、いまだ当社は本ライツ料の支払いを受けていない。また、球団名が維持された状態をシーズンを通じて提供した後に、不払いのまま一方的な本契約解除の告知を受けたことに困惑している」と不満を滲ませた上で「このような不払いを含む一連の事態は、夢を信じて新たな球団に集まった若者の挑戦を阻害する行為であり、悲しみを禁じえない」と非難。
「本契約の帰趨にかかわらず、当社が当球団を運営していくことに変わりはなく、その影響はない。2026シーズンに向けて、新入団予定選手を含む編成についての報告は12月初旬より随時行う」との言葉通り、12月1日に15人の新入団選手を発表し、懸案となっていた捕手不在問題も解消される見通しとなっている。
反論に“反論” 場外バトル泥沼の様相
これに対して、くふうカンパニーホールディングスは12月1日に再度ホームページを更新。
同社が指摘した「一部契約不履行」とは、ユニフォームの胸や帽子、看板、旗などに表示される球団マークの表記について指すことを明らかにした。

同社とハヤテ223が結んだネーミングライツを含む資本業務提携により、チーム名を「くふうハヤテベンチャーズ」、略称を「くふうハヤテ」、愛称を「ベンチャーズ」とすることで合意していたものの、ユニフォームや帽子、球団旗などに表示されているロゴには「HAYATE」もしくはHAYATEから由来した「H」が採用されているだけで、「くふうハヤテ」や「ベンチャーズ」との表記が一切ないことを問題視しているという。

このため、「ある意味最も露出がともなうともいえるロゴ掲出に球団名も愛称も使用しないという行為は、従来の野球界の通例では考えられないことであり、ネーミングライツの債務不履行そのもの。球団とは無関係である自らの投資ファンド名を使うことで私的流用を行なっているとみなさざるを得ない」と怒りをあらわにした。

さらに、ハヤテ223が今回の契約解除通知について「球団に集まった若者の挑戦を阻害する行為」と表明したことについて、「債務不履行、私的流用を行なっていることこそが『球団に集まった若者の挑戦を阻害』するもの」と厳しい姿勢を見せている。

その上で、「ハヤテ223社に対し、球団名あるいはそれに準ずる表記に是正するよう2シーズンにわたり度重なる要請を行ってきたが、残念ながら誠実な回答が得られず、改善の見込みもないことから、これ以上の契約継続は困難であると判断し、解除を通知した」と説明した。
(テレビ静岡)
