経営不振により来年度から一部区間の廃線方針が掲げられていた富山地方鉄道の本線について、来年度の廃線は全区間で回避され、運行が継続されることになりました。
また、新魚津・宇奈月温泉間は存続を前提に、協議が進められることになりました。
これは29日の沿線自治体や富山地方鉄道の中田邦彦社長が参加した会合で決まったものです。

富山地方鉄道は沿線自治体から支援などの方針が示されなければ、本線の滑川・宇奈月温泉間を来年の11月末で廃線とする方針を示していました。


29日の会合で県と沿線自治体は、新魚津・宇奈月温泉間は存続を前提に、(1)全線を維持する場合と (2)あいの風とやま鉄道と並行して走る滑川・新魚津駅間を廃止とする2つのパターンで収支や利用促進策など今後、将来的な路線のあり方の議論を深める必要があると提言しました。

そのうえで来年度は運行費用を県と沿線自治体が支援するとして、富山地方鉄道に対し来年度の廃線の判断を先送りするよう求めました。
地鉄は12月中に開かれる富山市と立山町、舟橋村を加えた全体の会合で正式に判断するとして、了承されました。

*富山地方鉄道中田邦彦社長
「(県と沿線自治体から)とりあえず令和8年度の対応をなんとかするから協議を続けさせて欲しいと、それは分かりましたと(判断を先延ばしの)繰り返しはない」
一方、今後、廃線の検討対象となるあいの風とやま鉄道と並行して走る滑川・新魚津駅間について、黒部市の武隈市長は沿線の滑川市と魚津市の判断を尊重する考えを示し、魚津市の村椿市長は慎重な考えを示しました。

*黒部市 武隈市長
「並行区間が仮に廃止となり、代替措置を考えられるのであれば(滑川市と魚津市の判断を)尊重していく形での検討になるのでは」

*魚津市 村椿市長
「並行区間は学生の利用など影響を受ける人がいる。今後の調査を踏まえて考えていきたい。今の段階で方向性を決めることは難しい」
来年度、県や沿線自治体が支援する具体的な運行費用金額などは12月の全体会合で示されます。
(富山テレビ放送)
