東日本大震災の発生からまもなく15年。

震災の教訓を次世代の子どもたちへと語り継ぐ活動をしている男性がいます。

その「いのちの授業」を富山県小矢部市で取材しました。

*元宮城県公立中学校教員みやぎ教育相談センター 瀬成田実所長
「災害関連死がなんと3808人もいる。その方々を入れると約2万2千人が東日本大震災の犠牲者(行方不明者含む)」

宮城県で長年「震災教育」に取り組んでいる元中学校教師の瀬成田実さんです。

先週の金曜日、小矢部市の石動小学校で5年生に地震の恐ろしさと教訓伝えました。

*元宮城県公立中学校教員みやぎ教育相談センター 瀬成田実
「東日本大震災は多いところで4回(津波が)来たという証言もある。津波が1回来たら終わりではなく油断しないこと」

震災直後、瀬成田さんは被災者の支援活動に奔走していました。

そこで出会った被災地の学校の実話をまとめ、「いのちの授業」と題した講演として語り続けています。

*元宮城県公立中学校教員みやぎ教育相談センター 瀬成田実所長
「1年生はここで横になれっと、眠れたでしょうかね。泣きじゃくる下級生を上級生が励ました。泣かないって、自分もつらかったんだよ。お父さん、お母さんは迎えに来られないし」

忘れてはいけない震災の記憶。

それを富山でつないでいるボランティア団体「大空へ飛べ」です。

高岡市と小矢部市を中心に活動している「大空へ飛べ」

東日本大震災後は県内での募金活動や被災地を訪れてミニコンサートを行うなど、復興支援を通して瀬成田さんとも交流を深め、2020年から瀬成田さんを講師として富山に招き、「いのちの授業」を始めました。

*NPO法人大空へ飛べ 谷口徹理事長
「(震災直後の)4月30日に出会った。本当にあれが運命的な出会い」

*みやぎ教育センター 瀬成田実所長
「宮城の経験は日本中の子どもたちに伝えたい。富山から話をいただいて、とてもうれしい」

授業をきっかけに、8日に瀬成田さんは、「大空へ飛べ」の案内のもと、能登半島地震の被災地、氷見市を訪れました。

*NPO法人大空へ飛べ 谷口徹理事長
「ここが液状化で、大変だった」

*みやぎ教育センター 瀬成田実所長
「液状化で」

*NPO法人大空へ飛べ 谷口徹理事長
そこの道路もガタガタで」

*NPO法人大空へ飛べ 谷口徹理事長
「こんな」

*みやぎ教育センター 瀬成田実所長
「浮き出てきたということ?」

*NPO法人大空へ飛べ 谷口徹理事長
「あった(建物)が全部更地に」

かつて宮城で見守り続けた景色と重なる被災した氷見市の姿。

一方…。

*みやぎ教育センター 瀬成田実所長
「(宮城県と)ちょっと景色が違う。残った家となくなった家がある。この落差の大きさにちょっと驚いた」

*みやぎ教育センター 瀬成田実所長
「氷見の人は地震が起きたら、高台へというのはみなさんそういう意識は強かったんですか?」

*大空へ飛べ メンバー
「東日本大震災を経験しているから、みんな3.11を想起して、高い所行く意識はあったと思う」

東日本大震災の教訓を生かし、避難意識が高まった氷見の住民。

一方で瀬成田先生は、時間とともにその意識が薄れていくことを恐れています。

*みやぎ教育センター 瀬成田実所長
「(震災記憶は)日々忘れていく。意識して活動している私でも忘れていく。毎年繰り返し、勉強、復習、現地を見るなどしないと、どんどん記憶を薄れていく」

震災の記憶の風化を食い止めようと行われている「いのちの授業」

小学校での講演に続き、7日は小矢部市民プラザでも開かれました。

*参加者(小学5年生)
「自分が思っていたよりも被害が大きくて、すごく大変だったと思った」

*参加者(小学5年生)
「紙芝居で、当たり前だと思った家族を失ったことが悲しいと思ったので、家族を大切にしたい」

*大空へ飛べ メンバー
「地震とか津波が怖いことだけじゃなくて、それの対策とかも伝えたいと思った」

東日本大震災からまもなく15年。

震災の記憶と教訓を次の世代へ伝え、地震や津波による犠牲者を一人でも減らそうとこれからも語り続けます。

*NPO法人大空へ飛べ 谷口徹理事長
「命が何よりも大切だということ。学ぶということがその大切な命を守るということをぜひ分かってほしい」

*みやぎ教育センター 瀬成田実所長
「いつまでも忘れてほしくない、忘れてはならない出来事なので、語り続いてほしい。だから我々高齢層から若い子たちに語り継いで、その若い子達がまた次の代に語り継いでいくようになってほしい」

富山テレビ
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