クマの出没や被害が相次ぐ中、県内ではクマ対策に「ふるさと納税の寄付」を活用しようという自治体が出てきた。いち早く募集を始めた鶴岡市には、すでに多くの申し込みが寄せられている。
現在、ふるさと納税サイト「さとふる」でクマ対策に特化したふるさと納税の寄付を募集しているのは、鶴岡市・新庄市・酒田市・尾花沢市の4つの市。
県内でいち早く11月19日から募集を開始したのが鶴岡市。
11月23日時点のクマの目撃件数は373件と、県内の市町村で最も多くなっている。
(鶴岡市・佐藤聡市長)
「出没件数が大変多くなっている。それに対する見回りの経費や、希望が多くなっている果樹・柿の木などの伐採の対応も必要なので、想像以上に経費が多くなっている」
鶴岡市では、1口2000円から2025年度いっぱい寄付を受けつける。
返礼品はなく、集まった寄付は猟友会の見回りや箱わな・電気柵の設置などの捕獲に係る経費、不要果樹の伐採費用などに充てる予定。
(鶴岡市・佐藤聡市長)
「鶴岡を離れた鶴岡出身者がかなりクマの出没を心配していて、『大丈夫か』という声もある。鶴岡を思うみなさんからの寄付をいただいて、それをしっかりとクマの被害防止対策につなげていきたい」
寄付の受付開始から1週間あまり。
市によると、26日時点で131件・85万4000円の申し込みがあったという。
(鶴岡市庶務課・前田哲佳主査)
「非常に反響があると受け止めている。北は北海道、南は九州まで。出身者や縁がない人も応援したいという気持ちで連絡いただいている。住民の生活を守ることにみなさまの寄付を活用したい」
このほか、新庄市は37件で11万1100円、酒田市は19件で1万9000円。
26日に受付を開始した尾花沢市には2件7000円の申し込みがこれまでに寄せられているという。
いずれも返礼品はなく、尾花沢市は2025年度いっぱい、新庄市・酒田市は通年で受けつけている。
ふるさと納税だけど返礼品がない。返礼品がないけれど寄付が集まっている。
鶴岡市は特に目標金額は定めていないということだが、予想以上の反響。
それだけクマに対する関心が高まっているのでは…ということだった。
各自治体の寄付の受付が1口1000円または2000円からということで、何か行動したいという人にとって、手軽に申し込めることが広まっている要因なのではないか。