福島県の浜通り・新地町からいわき市までの約220キロをつなぐ「ふくしま浜街道トレイル」は、海や山、街など浜通りの様々な景観が楽しめるハイキングコースだ。歩くのがさらに楽しくなるハイキングパスポートも販売され、さらなる賑わいが期待されている。

浜通りを縦断するコース

福島県の沿岸地域「浜通り」の街並みと海が見渡せる絶景のハイキングコース。このコースには、浜通りの魅力を十分に味わえる仕掛けが施されている。
楢葉町のコース沿いにある天神岬スポーツ公園・楢葉町サイクリングターミナル。ここの宿泊施設に置かれているのが『ふくしま浜街道トレイル』のスタンプだ。

ふくしま浜街道トレイルのスタンプ
ふくしま浜街道トレイルのスタンプ
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ふくしま浜街道トレイルアソシエーションの中島悠二代表は「ふくしま浜街道トレイルのハイキングパスポートに押すためのスタンプ」と説明する。

さらに楽しくなるパスポート

2025年9月から販売が始まったハイキングパスポート。このパスポートにスタンプを押すことができるポイントは、13市町村の飲食店や宿泊・観光施設など約100カ所に設置されている。

スタンプの台紙となるハイキングパスポート(1100円・ホームページなどで購入可能)
スタンプの台紙となるハイキングパスポート(1100円・ホームページなどで購入可能)

記録した種類と数に応じて、記念バッジと踏破証明書も購入できる。
代表を務める中島悠二さんは神奈川県川崎市出身で、「ふくしま浜街道トレイル」の事業に関わるなかで、2021年に楢葉町に移住した。

スタンプの種類と数で記念バッジ(350円)が購入もできる 踏破証明書は700円
スタンプの種類と数で記念バッジ(350円)が購入もできる 踏破証明書は700円

中島さんは「これをきっかけにもっと歩く人がたくさん増えて、地域の人も迎える人も交流を重ねて、この地域に誇りを持ってもらえたらよい」と語る。

故郷の賑わいを再び

スタンプ設置店の一つが「cafeりあん」だ。鈴木弘幸さんと妻・静香さん夫婦が営むこの店は、2024年9月にオープンした。
弘幸さんが定年退職後に開いたカフェだが、「悲しさというか勿体なさというか。ふるさとが壊れてしまう。そんな思いでした」と語るように、特別な思いをもってオープンさせた。

「cafeりあん」鈴木弘幸さん 協力店には地元に特別な思いを持った人も
「cafeりあん」鈴木弘幸さん 協力店には地元に特別な思いを持った人も

東日本大震災と原発事故で、楢葉町からいわき市に避難した鈴木さん夫婦。2017年に自宅を解体したが、故郷に賑わいを取り戻したいという思いが強くなっていったという。
「これを起点に地域活性といったものが、少しずつ芽生えてくれば、この辺が発展していくのではないか」と弘幸さんは語る。

憩いの場としてのカフェ

カフェのオススメは、特製のナポリタンやフレンチトースト。そして、サイフォン式コーヒー。薪ストーブと鈴木さん夫婦の優しさが、訪れた人の心も体も暖める。
訪れた町民は「お客さん同士で話をする光景もある。そういった交流がまた温かみがあって、ありがたい」と話す。

ナポリタンやフレンチトーストがおすすめ
ナポリタンやフレンチトーストがおすすめ

店名の「りあん」は、フランス語で「絆」。町内外の人が交流できる「憩いの場」のひとつになることを目指している。
「ハイキングパスポートに参加している店がいっぱいあるので、歩く人が増え交流人口が増えれば少しは賑わいが出てくるのでは」と弘幸さんも期待を寄せる。

ルートには目的地にしたくなる魅力的なスポットがたくさん
ルートには目的地にしたくなる魅力的なスポットがたくさん

浜通りの魅力的な場所へいざなうハイキングパスポート。皆さんも手にとって旅に出てみてはいかがだろうか?
(福島テレビ)

福島テレビ
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