福岡・北九州市の名所や旧跡などを舞台に高校生たちの青春を描いたショートドラマが話題になっている。
制作は北九州市インバウンド課
『門司港レトロ』を舞台に撮影されているのは北九州市が制作した観光PRショートドラマ。

物語は、主人公の優太がオンラインゲームで知り合った女の子とのデートを成功させようと友人の竜之介と幼馴染の愛美とともに市内の観光地を巡りながら“デートの練習”を重ねていくという青春ストーリーだ。

「ねえ、北九ってさ地図で見るとハートっぽくない?」(愛美) 「無理やりじゃね?」(優太) 「いいから、こうやって北九ハートで写真撮ろう」(愛美)【ショートドラマ『北九州で恋の予習』北九州市観光公式SNSより】

ドラマは、約3分で前・後編に分かれていて、門司港レトロや高塔山、若松南海岸など北九州市を代表するスポットが次々と登場する。

制作を担当したのは北九州市インバウンド課。

「元々、インバウンド課でSNSの運用をやっていたんですけど、インスタグラムとかXとかに投稿するショート動画の制作をメインで行っていて。いままで北九州の良さを伝え切れていなかった人にも伝わるように今回はドラマにした」と話すのはインバウンド課の日吉友珠さん。

数分で完結する“ショートドラマ”はTiKToKなどを中心に若い世代から人気を集めている。同じくインバウンド課の宮野真衣さんは「市が、これまでしてこなかったようなPRというのを日常で見られているものから『北九州を知ってもらうきっかけにしてもらいたいな』ということろでやっております」と話す。

出演は地元の高校生3人
動画に出演しているのは撮影当時、市内の東筑紫高校で演劇の勉強をしていた3人だ。(※3人とも2026年3月に卒業)

優太役の西山亘太さんは「最初、先生に呼ばれて別室で『北九州のショートドラマに出ないか?』って…、そこからですね」と話す。ほかの2人も同じだったという。3人ともショートドラマへの出演は今回が初めてのことだった。

竜之介役の木村歩太さんに印象に残っているシーンを聞くと「高塔山のシーンで一番、最初の竜之介が優太にちゅ~ってするシーンです」と笑う。
「ちゅううううう」(竜之介) 「ちょっえええここでキス?」(優太)【ショートドラマ「北九州で恋の予習」北九州市観光公式SNSより】

「普段、絶対やらないのであんなことは…、すごく気合を入れました」(竜之介役・木村歩太さん)。
また愛美役の山内姫奈さんは「最後のマフラーのシーンです」と応える。
「地元のことも知っとるつもりやった。愛美のことも幼なじみってだけで分かった気になっとった。でも、いまちゃんと分かったよ」(優太)【ショートドラマ「北九州で恋の予習」北九州市観光公式SNSより】

若松南海岸で撮影されたこのシーンは物語のクライマックス。優太と愛美の思いが通じ合う。「優太と愛美の心が近づいたシーンなので、みなさんにきゅんきゅんを届けられたかなと思って」(愛美役・山内姫奈さん)

1978年創業の人気店も舞台に
さらに、地元で長年愛される人気店もロケ地になっている。
「ここOCMっていうサンドイッチ屋で北九州ではソウルフードって言う人も多いんよ」(愛美) 「へ~、そんなに有名なお店なんだ」(竜之介) 「15種類を超える具材から2つ選べるんやけど、人それぞれ好きな組み合わせがあるんよね」(愛美)【ショートドラマ『北九州で恋の予習』北九州市観光公式SNSより】

小倉北区の『サンドイッチファクトリーOCM』は、1978年創業の人気店。

ドラマでは、3人がサンドイッチを食べながらデートの練習をするシーンが撮影された。

『サンドイッチファクトリーOCM』の清水美紀さんは「こちらの席をひっつけて3人でやっているのを覗いて見ていました。北九州市が観光地として頑張っているので、それがPRになればうちもいいかなと思った」と話す。

監督はショート動画界の注目クリエイター
「本当に北九州市に惚れちゃって」と話すのは、監督を務めた本木真武太さん。2022年、カンヌ国際映画祭の『#TikTok ShortFilmコンペティション』で日本人として初めてグランプリを受賞したショート動画界の注目クリエイターだ。

「北九州市に初めて訪れたときに、映画のセットみたいな街が、そうなっているように感じたんですよね。レトロな感じもそうですし、自然に囲まれている場所があったりとか、青春が街を美しく見せるのと街が青春を後押しするっていう相互作用を成立させるような脚本にできたらいいなと思って書きました」(監督・本木真武太さん)。

「優太が知らんすぎるんよ。地元なのに」(愛美) 「確かに当たり前すぎて気づいとらんかった」(優太)【ショートドラマ『北九州で恋の予習』北九州市観光公式SNSより】

ドラマには『身近にある魅力は意外と気づきにくい』というメッセージも込められている。本木監督は「観光の動画ではありますけど、地元の人だとなかなか気づけないような素敵な場所だったりとか、伝われば嬉しい」と話す。

ドラマは前編・後編の2話構成で北九州市が運営する公式SNSで見ることができる。前編が3月30日に、後編が5月11日に公開されていて、Tiktokでは現在までに合わせて14万回以上再生されているという。北九州市は、今回の取り組みを通して若い世代や観光客に向けた新たな魅力発信につなげたいとしている。
(テレビ西日本)
