福島市で2日、クマが工場敷地内や住宅街などで人を次々に襲い、工場内に居座った。麻酔銃が命中したものの効かず、その後逃走した。専門家は捕獲まで長期戦になる可能性があると指摘する。

一方、北海道では400kg級とみられる巨大ヒグマも撮影された。

通学路や住宅街を猛スピードで駆け回る

2日午前6時半頃、福島市で人々を次々に襲ったクマ。

道路を走るクマ
道路を走るクマ
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パニック状態に陥ったとみられるクマは、街を猛ダッシュで駆け抜け、身を隠すように工場内に居座った。

一夜が明けた3日午前8時過ぎ、現場では雨が降る中、猟友会のメンバーが工場内をのぞき込んでクマの様子を確認するなど、緊張状態が続いていた。

現場から約300mの場所にある野田小学校は2日に続き臨時休校となり、授業はオンラインで行われていた。

ひとりで授業をする先生:
教室の黒板、板の間に座る。読んだかな?

人を襲ったクマは工場に居座る直前、この小学校の通学路に姿を見せていた。2日朝、いつも通り学校に向かっていた教頭の車を後ろから追いかけてきた。

画面右の住宅街から道路に飛び出してきたクマ。そのまま猛ダッシュで踏切を横切ると、対向車線側を走り去っていった。

「子どもたちの通学路でよく使うところ」と話す教頭(野田小学校・久能潤一教頭)
「子どもたちの通学路でよく使うところ」と話す教頭(野田小学校・久能潤一教頭)

野田小学校・久能潤一教頭:
まさか市街地でクマが出るとはびっくりした。意外とスピードが速かったので、追いかけ回されたらどうしようもない。子どもたちの通学路でよく使うところですので、1時間ずれていたらと思うと恐ろしい。

さらにクマは車が行き交う大通りにも現れ、体をゆさゆさと揺らしながら、かなりの速度で走っていった。

従業員2人を襲ったクマ(福島製鋼株式会社)
従業員2人を襲ったクマ(福島製鋼株式会社)

工場の敷地内に侵入し、従業員2人を襲ったクマ。その後、近くの住宅街で女性を襲って街を徘徊し、別の会社の工場でも男性に襲いかかった。

この住民は、住宅街で女性が襲われる瞬間を目撃していた。

目撃した住民:
クマが突然来た。走って…そしたら塀を飛び越えて、まさか(塀を)飛び越えていくとは思わなかった。

高さ1m以上ある塀を飛び越えたクマのイメージ
高さ1m以上ある塀を飛び越えたクマのイメージ

クマは突然走って現れ、高さ1m以上ある塀を飛び越えて畑に向かい女性に襲いかかったという。

目撃した住民:
「クマだ、クマだ」と言われて俺もびっくりして、バットを持って追いかけたときには(クマが)逃げたところで、そしたら今度はキャーという声がした。私たちが行ったときは(女性が)顔から血を流していた。まさかこの辺にクマが出るとは思っていなかった。

興奮状態で麻酔効かず…捕獲至らずクマ逃走

クマが工場に侵入した2日。市は緊急銃猟を行うことを決め、建物内に引火性のものがあることから、麻酔銃に限って許可を出した。

しかし、麻酔銃は命中したものの、クマがおとなしくなることはなかった。なぜ麻酔は効かなかったのだろうか?

今回、クマの居座り現場でアドバイザーとして対応した福島大学の望月翔太准教授は、こう見ている。

福島大学食農学類・望月翔太准教授:
非常に興奮しているクマだとなかなか麻酔が効かないことがある。とても興奮している状態なので、おそらくアドレナリンの量が上回って薬が相殺された形になると思われる。

2日から一睡もしていない可能性があるというクマ。望月准教授は、捕獲に至るまでには長期戦になるかもしれないと話す。

福島大学食農学類・望月翔太准教授:
まずはクマに落ち着きを取り戻してもらい、ある程度クマ側に余裕が出てくると、今度は「わな」に入ってくる形になる。

福島市は3日夜、居座ったクマの捕獲には至らず、現場から逃げたことを確認した。

北海道の巨大ヒグマは2m以上か

各地で相次ぐクマの出没。北海道では400kg級の巨大ヒグマが現れた。

北海道の山林で5月25日、撮影された巨大なオスのヒグマ。体重は400kg級とみられ、メスを追いかけているという。

クマは2日後にも現れ、おなか周りに脂肪をたっぷりと蓄えた体を揺らし、のしのしと歩いていった。

さかのぼって5月14日、こちらはクマが突然直立した際の様子だ。巨体を後ろの木にこすりつけているようにみえる。

その頭の高さは、木に記された2mを示す白い線をゆうに超えているのが分かる。

北海道ヒグマチャンネル・黒澤徹也さん:
今年は特に太い個体が多い。デントコーン(とうもろこしの一種)や牧草を食べ、もっと冬眠前は太っていた可能性がある。
(「イット!」6月3日放送より)