沖縄返還をめぐる日米の秘密交渉で、有事の際に核兵器の持ち込みを認める密約に関わった若泉敬氏が、当時の沖縄県知事や県民にあてた遺書とされる文書が、沖縄県公文書館に寄贈されました。
福井県出身の国際政治学者・若泉敬氏は、沖縄返還をめぐる日米の秘密交渉において、当時の佐藤栄作政権の密使として奔走し、有事の核兵器の持ち込みを認める密約に関わりました。
若泉氏はその役割を悔い、1996年に自ら命を断っています。
21日、福井県の越前市から県公文書館に寄贈されたのは、事実上の遺書とされる「歎願状」など24点です。
歎願状は1994年、沖縄県民と当時の大田昌秀知事に宛てられたもので、返還交渉の結果、責任を取るため自死する覚悟と、県民への謝罪の言葉がつづられています。
福井県越前市 文化県都推進課 奥谷博之 課長:
戦後80年という節目にあたり、歴史の真実と向き合い、未来への教訓とするために、この文書が沖縄県において広く共有されることを願っております
歎願状は12月9日から28日まで、県公文書館で一般公開されます。