県教育委員会は21日、鯖江高校野球部の顧問を務めていた教諭が、野球部の保護者会が野球用品購入のため積み立てた金550万円余りを着服していたと発表しました。
県教委は21日付けでこの教諭を懲戒免職としました。
懲戒免職処分を受けたのは、鯖江高校に勤務していた45歳の男性教諭です。
県教委によりますとこの教諭は、今年3月まで野球部の顧問を務めていて、「父母の会」が野球用品の購入費として部員の保護者から集めた積立金550万円余りを在任中に着服したということです。
主な手口は、県外のスポーツ用品店を相手先としたボールやバットなどの野球用品の架空の納品書を学校のパソコンで偽造し、父母の会の積立金から購入費を着服していたというものです。
この教諭は、2009年から16年間、鯖江高校野球部の顧問を務めていて、着服が確認できたのは2021年から今年3月までの期間です。
この教諭は今年4月に県スポーツ課に異動となり、後任の野球部顧問が納品書と実際の用具の数が合わないことなどから不審に思い校長に報告。その後、県教委が調査を進め本人が着服の事実を認めました。
着服した金額の全額を父母の会に返したということですが、父母の会が刑事告訴するかどうかは分かりません。
県教委の調べにこの教諭は「着服したカネはFX投資や損失補てんに充てていた。迷惑をかけ深く反省している」と話したということです。
今回の不祥事を受け、鯖江高校は22日に臨時の保護者会を開き内容を説明します。
また、県教委は、来週25日に臨時校長会などを開いて再発防止を呼び掛けるとともに、今回と同様の事案がないか実態調査を指示するとしています。
尚、野球用品の購入はこの教諭のみが行っていて、大きな買い物をしたいと申し出があったときは、父母の会が1回について多い時で現金30万円から50万円を渡したこともあったということです。