番組が継続取材している「マルミミゾウ」の「アオ」。その命をつないだ象のためのミルクを開発し提供したメーカーの担当者が初めて安佐動物公園を訪れました。
【辰已キャスター】
「アオが生まれてからあっという間に3カ月半も過ぎました。母のメイの横にぴったりとくっついて元気そうですよ」
メイの母乳をゴクゴク飲むアオ。
8月5日、午前5時前、国内では初めてのことでした。
【当時の職員の反応】
「すごいじゃん。めちゃくちゃ可愛いですね」
「10時くらいまで絶対授乳確認の時間にあてて、授乳するか見ていきましょう」
しかし、母親のメイの脚が長く赤ちゃんのアオはおっぱいを飲むことが難しかったのです。
このままではいけないたどり着いたのがゾウ用のミルク。作っているのは様々な動物のミルクを手がける「森乳サンワールド」です。
今月19日、その「森乳サンワールド」の職員たちが安佐動物公園を訪れました。
「今チビ(アオ)が出てきました」
「あ、かわいいちょうどいいタイミングで」
「いい仕事するね、メイ」
「もう本当にきょうを楽しみにしていて結構感動しちゃいますね」
自分たちが作ったミルクが動物園でどのように使われているのか実際に見て確認します
「これで全然キレイに溶けてくれるので、あとこの時にフワッとホットケーキミックスみたいな香りがするのが私はすごい好きで」
Q:ぬるま湯ですか?
「40℃くらいのお湯が出るように設定している」
アオのもとへミルクを持っていきます。
そのミルクで気を引きながら体重測定を始めます。
「148.5kg!」
「相変わらず早いね飲むのがはい!いい子だった!」
「なんていい子なんでしょうか」
前の日と比べ体重は2キロ増加。
日々、成長し元気に育つアオをみてミルクメーカーとしても成長に携われたことに喜びを感じます。
【森乳サンワールド総務部・伊藤綾子マネージャー】
「アオがうれしそうにしていたので愛情は感じましたね」
【森乳サンワールド営業部・谷中理華アシスタントリーダー】
「お母さんの愛情と飼育員さんの愛情をね」
【森乳サンワールド生産業務部・丸山千尋アシスタントリーダー】
「徐々にエレファントミルクで大きくなっているというところを見て、本当にお届けできてよかったという思いで安心したのと、そこに携わることができたのが感慨深いなと思いました」
アオの誕生が動物園とミルクメーカーの思いをつなげます。
【広島市安佐動物公園・野田亜矢子獣医師】
「メーカー側でも考えて作ってくださっているんだなとということが分かったし、私たちとしてもありがとうございますと伝えることができて良かったと思っています」
アオの成長を支えた「ミルク」。「ミルク離れ」の、その後もみんなの思いがアオの成長を支えていきます。
スタジオ
どんどん成長するアオをみて癒されましたね。
アオを観に2万人が訪れているそうです。みんなに見守られて成長しているんですね。
アオは母乳も飲めるようになったので、今は使い方も変化しています。
例えば、アオがべったり寄り添っているためにお母さんのメイの足の手入れがしづらい時などミルクを与えて気を引いたり…アオを体重計に乗せるためにミルクを与えたりしているんです。
またミルクを提供した「森乳サンワールド」はイヌやネコなどのペット用のミルクを製造している会社ですが、これまで、ゾウだけでなくパンダやイルカのミルクも作ってきました。
希少動物の保護への思いから社会貢献としてミルクを開発しているそうです。
様々な人がそれぞれの立場でアオの成長を支えたんだと実感しました。