広島県の虚偽公文書作成問題を巡り、弁護士が職員による公益通報への対応を再調査した結果、県人事課は、虚偽文書の作成を認識していたにも関わらず、職員への懲戒処分の判断がつかず「妥当とは言えない判断をした」と明らかにしました。

【再調査を担当した 池上 忍 弁護士】
「懲戒処分の検討を先行するため、妥当とは言えない判断をしたものと推測される」

【県総務局・杉山亮一 局長】
「改めて深くお詫び申し上げます」

この問題は呉市の災害復旧工事を巡り、2021年11月に県人事課の公益通報窓口に職員から「補助金申請の文書作成に当たって虚偽の文書を作成したのではないか」と通報があったものです。

その後、人事課は「事実かどうか特定できない」と結論付けていましたが、今年5月、弁護士に委託して再調査した結果、一転して虚偽作成を認めていました。

再調査の結果、県人事課は公益通報を受けて聞き取り調査した当時から虚偽の作成を認識していたと明らかにしました。

しかし、作成した職員への懲戒処分を先行して検討した結果、懲戒処分の事実が認められない可能性もあったため、虚偽文書の作成事実も「認定できない」という、妥当とは言えない判断に至ったということです。

【広島県・湯崎英彦 知事 】
「県民の皆様に改めてお詫び申し上げます。公益通報の運用スキームについて適切かつ確実に事実認定ができるスキームに見直せるよう指示した」

虚偽公文書作成を巡っては、県は現在、全ての建設事務所の災害復旧事業の協議録などを対象に虚偽の有無を調査しています。

<スタジオ>

内部通報の重要性どのように考えられますか?

【コメンテーター:叡啓大学・早田吉伸教授】
行政の信頼性が揺らいでいる。インフラとして公益通報システムはあるが、おかしいことがあったら、ちゃんと声をあげられる組織風土が必要。

テレビ新広島
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