福島流星 記者:
いま、県の幹部職員が自民改革会議の県議たちが待つ部屋へと入っていきます

12月の県議会12月定例会を前に各会派を訪れた静岡県の幹部職員。提出予定の議案とともに説明していたのは新県立図書館の整備見直しについてです。

1969年、今から56年前に駿河区谷田に建てられた県立中央図書館。

福島流星 記者(2019年3月):
閲覧室の真下にある書庫です。その天井をご覧ください。ひとつひとつのひび割れに特殊な樹脂を注入して補修工事にあたったということです

施設の老朽化は深刻な状態で、県は川勝平太 前知事の時代の2017年に移転方針を表明。当初は図書館を核にレストランや宿泊施設などが入った“文化力の拠点”を整備することが計画されました。

しかし…

川勝平太 知事(当時):
ヤクザの集団もいますからね。ヤクザがいるじゃないですか。ゴロツキがいるじゃないですか

構想に賛同しない議員を侮辱する発言が明るみになり、県議会・最大会派の自民改革会議が猛反発。

そして―。

川勝平太 前知事:
これ(文化力の拠点構想)はいったん白紙に戻すのが正しいと思う

文化力の拠点構想は立ち消えとなり、図書館の移転だけが計画として残ることに。その後、当初180億円程度とされていた事業費は人件費や資材の高騰から298億円まで膨れ上がりました。

こうしたなか2025年5月、新たな問題が浮上します。

県教育委員会・池上重弘 教育長(2025年6月):
多大なご心配をおかけしていることに深くお詫び申し上げます

県は298億円のうち国の交付金で約半分の136億円を賄うと想定していました。

しかし、その見通しは外れ、県の負担は100億円あまり増える状況に。鈴木康友 知事は計画の見直しを表明しました。

鈴木康友 知事:
年内を目途に方向性を示せるよう、横断的プロジェクトチームを立ち上げ、検討を進める

見直しの表明から約5カ月。県が示したのは官民連携を軸に整備手法を検討することや、収蔵数を50万冊減らし最大150万冊程度にして積極的にデジタル化を導入すること。事業費の削減を目指します。

こうした取り組みに伴い、2028年8月以降を予定していた開館時期は5年ほど遅らせる方針です。

開館時期の遅れについて最大会派の自民改革会議は…

自民改革会議・鈴木澄美 代表:
(開館時期は)できるだけ早いほうが良いという考えがあっても、もう一度、機能そのものをしっかり見直しながらベストなものを目指すとすれば、その時の社会状況を心配しながらもやむを得ないというか、その時点で考えていくしかない

図書館の移転先周辺に住む人は…

男性:
計画通りに進めてもらいたいとはいうものの、財政危機ということでこちらが優先。県民全体にマイナスイメージを持たれてしまう

男性:
財政が厳しいのはどうしようもないことなので慎重に決めてくれればいいなと

鈴木知事は厳しい財政状況で改革に取り組む姿勢を示すなか、新図書館の整備計画について12月の県議会定例会で新たな方針を表明するとみられます。

テレビ静岡
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