全国で猛威を振るっているインフルエンザ。
インフルエンザにかかりやすい5つのタイプが最新の研究で明らかになりました。

これは2つの大学と大手製薬会社が協力して発表した研究結果です。

青森・弘前市の20歳以上の約1000人の血液検査や食事、睡眠時間、通勤時間などの生活習慣など3000項目以上のデータをとり、その中でインフルエンザにかかった121人の特徴を分析。
さらに、重要な165項目に絞ってAIで分析してみると、この解析結果から、インフルエンザにかかりやすい人の傾向として5つのタイプがあると分かったということです。

5つのタイプは「血糖が高めな人」「肺炎を過去に経験したことがある人」「アレルギーがある人」「栄養不足な状態な人」「多忙・睡眠不足な人」です。

それぞれの理由を見ていきます。

「血糖が高めな人」は、白血球が減ってしまって免疫力が低下してしまうといったことがあります。

「肺炎を経験したことがある人」は、もともと感染症に対して抵抗力が弱いと考えられているといいます。

「アレルギーがある人」に関しても、常に免疫が過剰に反応していて、炎症で防御機能が疲弊しがちだという背景があるということです。

また、「栄養不良」は免疫細胞そのものを弱らせ、「多忙・睡眠不足」は免疫関連のホルモンの乱れなどが理由として挙げられています。

青井実キャスター:
血糖値を抑えていても、睡眠不足だったりするだけでもうかかりやすくなるということですね。

インフルエンザにかかりやすい体質や生活習慣は一様ではなく、多方面の要因が関わっていることが分かったということが、この研究結果の大事なところなんです。

複数の特徴を持っている人は、普通の人に比べてインフルエンザの発症リスクが約3.6倍もあることが分かりました。

今回の研究に携わった京都大学の奥野教授は、この研究結果の今後の生かし方について、次のように話しています。

京都大学大学院医学研究科・奥野恭史教授:
(インフルエンザにかかりやすい)5つのパターンを出せてきているので、今の状態はこのパターンだから、これを気をつければ感染を少しでも減らせる、つまり予防ができるということですね。

どう予防するのかも見ていきましょう。

「血糖が高めな人」は、血糖値を急に上げない食べ方をすることが大事です。
なので食事は野菜、たんぱく質、炭水化物といった順番で食べることが大事だといいます。

「肺炎を経験したことがある人」は、肺や気道の粘膜を守るために部屋の湿度を常に40%から60%程度に保つこと。

「アレルギーがある人」は、果物や緑茶など、ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールなどを含む食材で抗酸化力を補ってほしいということです。

「栄養不足の人」は、良質なたんぱく質をとり、朝食を抜かず体温をUPさせる。

「多忙・睡眠不足の人」については、睡眠時間がなかなかとれない人はお昼に仮眠を15分だけとるだけでも違うということです。でもそれも難しいという人は、タウリンというタコ、イカ、魚、カキ、アサリ、シジミなどの貝に含まれている栄養成分をとることも効果的だということです。

ちなみに「多忙・睡眠不足」で要注意な人について、立川パークスクリニック・久住英二院長は「本当に疲れ切ると、朝早く目が覚めるようになる。目覚まし時計より早く起きる状態はかなり交感神経が緊張していてまずい状態。だいぶ疲れているので、体調管理を見直す必要があります」と話しています。

遠藤玲子キャスター:
年齢が上がるにつれて目が覚めるのが早くなっちゃうので。疲れているサインかもしれないんですね。

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
1つでもいいから実践すると。それと湯船に浸かって体を温めてあげる。この季節は手洗い・マスクなど忘れないようにしましょう。