170棟以上が燃えるという甚大な被害となっている大分市佐賀関の火事。発生から丸1日が経過するも鎮火には至っていない。
これまでの動きをまとめた。
勢いよく燃え上がる炎
大分市佐賀関で火事が発生したのは18日午後5時40分頃。
港町が真っ赤に燃え上がりサイレンが響き渡る。
窓から炎が勢いよく噴き出し、暗闇の中でも真っ黒とわかる煙がもうもうと立ち上っている。
ーーTOS梅田雄一郎記者(18日夜)
「火災の発生から2時間以上がたちましたが、いまもなお激しい炎が上がり続けています。私の後ろでは複数の家から火の手が上がっているのが確認できます」
近くに住む人からは「消防車の音が何台も何台も来るもんで、何かなと思って2階の窓から見たらすごい燃え上がっていた」「かなり心配ですね、知っている人もいるから」と不安の声が聞かれた。

火の手は避難先にまで 別の場所に移る住民たち
見慣れた景色が炎に包まれていく中、呆然と立ち尽くす住民たち。
手を取り合って避難。しかし、火の手は避難先にまで迫る。
ーー警察
「ここちょっと避難しましょう、みんな。皆さん、避難しましょう」
(記者Q.今みんなどこに行っている?)
ーー住民
「支所、佐賀関の支所」
(記者Q.ここはもう危ないから閉鎖する?)
◆警察
「そうです、そうです」
延焼の恐れがあることから別の場所に移ることに。

住民「火の海、もうすごい火だった」「これは現実か」
火事の現場から1キロほど離れた佐賀関市民センターには約190人が身を寄せ、不安な夜を過ごした。
避難所にいた住民たちに話を聞く。
「とにかく荷物を詰めて出てきた。家がどんなになっているか心配。早く帰りたい」
「火の海。もうすごい火だった。あの辺は特に空き家が多い。7割くらいが空き家」
(記者Q.火の音は聞こえなかった?)
「聞こえん。隣保班の人が窓をたたいて知らせなければわからなかった。びっくりしたこれは現実かと思って」

一夜明け被害が次第に明らかに。上空から見ると住宅地が広範囲にわたって黒く焼け焦げているのがわかる。
変わり果てた町を見つめる住民の姿も。
また、逃げる途中でケガをした女性は「前の段差で転んでしまった。何分でもいいので、遠くからでもいいので(自分の)家を見たい」と述べていた。

一夜明け、地元の名物を使ったあたたかい差し入れが
一方、支援の動きも始まっている。
ーー炊き出しをする人
「皆さーん、あったかい味噌汁クロメ汁を持ってきましたよ。それと、朝新米を炊いたおにぎりを1人2個ずつ持ってきました。食べてください」
避難所では佐賀関の名物を使った心のこもったあたたかい差し入れが。
おにぎりを頬張る人たち。避難している女性は「おいしい。クロメが入っているけんね」と笑顔で話す。

近隣のカフェではペット同伴の避難を受け入れ
また、近くにあるカフェ「RIRIMAMの樹」では、保護犬や保護猫に関わるサービスを行っていることもあり、被災者がペットを連れて避難できるよう受け入れ態勢を整えた。
ーーRIRIMAMの樹 首藤桃奈チーフ
「1日も早く復興し皆様が安心して過ごせるようまた元気な佐賀関に戻れる日までできることを見つけていきたい」

170棟以上が焼けている甚大な火災。被害の全容はまだわかっていない。

