プロバスケットボールB2リーグに参入し、2年目のシーズンを戦う福井ブローウィンズ。見据えるのは来シーズンから創設されるBリーグの最高峰「Bプレミア」への昇格だ。その審査基準の一つが、ホーム戦での平均観客数4000人という数字。クラブは今シーズン、そのハードルを超えたことを明らかにした。
神戸、福島に次ぐ観客動員数
クラブによると、今シーズン、30試合中7試合が終了した時点でのホーム戦平均観客数が4062人を記録。Bリーグ・プレミア参入基準を上回った。この記録は、B2リーグの中でも大きなアリーナを持つ神戸、福島に次いで3位という高水準となっている。

多くのファンがアリーナに足を運ぶようになった背景には、県民を呼び込むための様々な取り組みがあった。
ファンを魅了する「仕掛け」
観客動員数が好調な要因として、クラブ側は、会場での“体験価値”の向上を挙げる。光や音を使った演出の強化、フードコンテンツの充実、そして高校バスケの大会との同時開催など、多くの県民が「訪れたい」と感じるような様々な仕掛けを打ち出してきた。

スポーツ観戦にとどまらない、エンターテインメント要素の強化が、多くの人々の心をつかんだと分析している。

湯本眞士代表取締役は「4000人を維持できれば“やっぱりブローウィンズは楽しいよね”ということを証明できるので、今年はこの4000人をしっかり意識していく」と今後の意気込みを語った。
B3時代から6億円増、34.5億円の経済波及効果
ブローウィンズがもたらす影響は、スポーツ観戦の文化醸成だけではない。福井商工会議所と協力して算出した昨シーズンの経済波及効果は34億5000万円と試算される。B3リーグに所属していた前の年と比較して6億円増となった。
B3リーグに所属していた前の年と比較して6億円増となる34億5000万円に上る。
観客の増加によるチケット収入の伸びが約1.5倍。加えて、スポンサー企業が148社から約200社へと増加したことなどが要因として挙げられている。
クラブ側も「もちろんB2になったことで大きなマーケットになった部分もあるが、私たちクラブが1年間活動できたからでもある」と確かな手応えを感じている。

12月以降も、試合会場の演出を変えたり、選手たちが期間限定のユニフォームを着用したりと、ファンに楽しんでもらうための新たな仕掛けを準備しているという。

Bプレミア昇格という大きな目標に向かい、ファンや地域社会を巻き込みながら旋風を巻き起こしている福井ブローウィンズ。彼らが福井にもたらす活力がどこまで広がっていくのか注目だ。
