多くのお客さんでにぎわう東京・新大久保のうどん店「伊予路」。
本格的な冬が到来し、冷えた体に染みわたる関西風の鍋焼きうどんなどが人気のお店です。
しかし、そんな店であるトラブルが起きていました。
店主が困り果てていたのは、会計の際に日本の五百円玉と韓国の五百ウォン硬貨を間違えて支払われたことでした。
500ウォンの価値は日本円で約50円のため大きな損害となります。
伊予路 店主・伊藤孝さん(69):
大きさも変わらないし、重さも変わらない。
SNSでも、「お会計で500円じゃなくて、500ウォンだしていったやつがいました」「近所の小さな八百屋さんもやられてた」「立ち食いそば屋でもやられました」など“紛れ込み”トラブルの投稿が相次いでいます。
そんな中、「伊予路」では10年ほど前から15回近く起きているといいます。
今なお現金での支払いが多いというこのお店。
カウンターにお金を置いて帰ってしまうお客さんもいるそうで…。
伊予路 店主・伊藤孝さん:
ここ(厨房)から(客の)動きは見えない。(Q.「ごちそうさまでした」と置いていった?)そんな感じ。(Q.代金をなかなか確認できない?)確認まで時間かかってしまう。
さらに、レジでの会計でも…。
伊予路 店主・伊藤孝さん:
このトレーに(硬貨を)置いて、パパッと出られてしまう。
忙しいお昼時、硬貨を置いて素早く帰られてしまうと、紛れ込みに気づいても69歳の店主は追いつけないといいます。
伊予路 店主・伊藤孝さん:
私なんか目が悪いから(500ウォンを)置いていかれたら分からない。(置いていったのは)韓国の人だと思う。(わざとではなく)“間違い”だと思ってあげたい。
対策としてキャッシュレス決済を導入したものの、現金支払いでは度々起きてしまう“硬貨の紛れ込み”。
お客さんの中にも「違う店でそういうこと(紛れ込み)があった。(Q.おつりが500円のはずが?)ウォンだった」と話す人がいました。
街の人に見比べてもらうと、「一緒…一緒!」「めっちゃ似てる」「疑わなさそう」「分からないかもしれない」「ちゃんと見れば分かるが、大きさも一緒だからパッと出されたら分からない」などの声が聞かれました。
実は30年ほど前には、五百ウォン硬貨を悪用した事件も起きていました。
穴を削って五百円玉と同じ重さにし、自動販売機に識別させて釣り銭を盗む手口です。
その後、新硬貨の発行や自動販売機の改良など対策が進みましたが、現金払いの店舗では度々、紛れ込みが発生。
2025年5月には、宮城県のガソリンスタンドでも…。
ガソリンスタンド店長:
パッと見ただけでは500円と勘違いしてしまう大きさ・色合い。釣り銭として500ウォンを渡してしまう店が出てもおかしくない。
さらに福島県のラーメン店でも…。
麺屋しん蔵・高宮店主:
従業員が会計した後に「見たことないお金があった」と言って、「あ!これ500ウォンだよ」と。
11月4日に起きたという五百円玉トラブル。
物価高の中での出来事に店主は…。
麺屋しん蔵・高宮店主:
原価も上がってるのでかなりショックですよ。サラリーマンの方だったんです。多分日本人だと思うんですけど、“常習犯”じゃないのかなと。普通に(500ウォンを)出していけるのは、慣れているのかなと思いました。
キャッシュレス全盛となった今でも、現金のやり取りをする際にはしっかりと確認することが重要です。