徳島県立近代美術館は、著名なフランス人画家の作品として約6700万円で購入したものの、その後“贋作”と判明した絵画について、購入元に返却し代金の全額が返金されたと明らかにしました。
徳島県立近代美術館は1999年、20世紀前半にかけて活躍したフランス人画家のジャン・メッツァンジェが描いた「自転車乗り」とされる絵画を6720万円で購入しました。
しかし、ことし3月、この絵画はドイツ出身の贋作師であるヴォルフガング・ベルトラッキ氏による“贋作”と判明したと発表しました。
この事態を受け、美術館は7月から10月にかけて、これまで行っていなかった絵画の科学的な分析を関係機関の協力のもと実施しました。
その結果、ジャン・メッツァンジェが描いたとされる1911〜1912年頃には普及していない顔料が用いられていたことなどから、比較的近年に制作された作品、すなわち“贋作”であることが改めて裏付けられたということです。
そして、美術館は贋作と判明した絵画を購入元の画廊に返却し、購入代金の全額・6720万円の返金を受けたと、きょう=19日明らかにしました。