クマの大量出没を受け、富山県立山町はクマを捕獲したハンターに払う「報奨金」を初めて設けました。ハンターが出動した際に払う報酬も引き上げます。
報奨金制度と活動費の引き上げ

*立山町 舟橋町長
「クマの捕獲1頭につき5万円の報奨金を支給する新たな報奨金制度を創設する」

立山町は18日に臨時議会を開き、新たなクマ対策を盛り込んだ補正予算案を提出し、全会一致で可決しました。

新たな対策ではクマを捕獲した際の「報奨金」を新たに設け、1頭あたり5万円をハンターに払います。また、ハンターが出動した際の活動費も時給1500円から2000円へと引き上げ、それぞれ10月1日以降の出動分も遡って支給されます。

県内でのクマの出没件数は17日までに941件と過去10年で最多となり、立山町ではクマによる人身被害が2件起きていました。クマの捕獲にあたるハンターへの報酬が危険度に対して低いといった指摘があり、町が応えたかたちです。

*立山町農林課 佐伯悦野課長
「朝仕事にいく前や仕事から早退して、現場を確認してもらう方が多かったので、報酬を増やしたいというのは私と町長の思いだった。人身被害の後に色んな方から言われるのは、クマの捕獲をどんどん進めてもらわないと安心できないと」
ハンターからの反応
立山町猟友会の栃山正雄会長は-。

*立山町猟友会 栃山正雄会長
「金のことはあまり考えたことがないが、何らかの(補助)が与えられば、それなりに利用価値があると、またやりがい(にも繋がる)、経費などにあてにすることができるから本当に行政が真剣に考えてくれたと思う」
県内自治体の対応状況
クマの捕獲にあたるハンターへの「報奨金」や出動した際の「手当」について県内すべての市町村に聞きました。

まずはクマを捕獲した際の「報奨金」では、猟友会がない舟橋村と回答を非公開とした魚津市を除く13の自治体のうち、これまで9つの市や町で設けられていて、今回立山町でも新設されました。金額はバラツキがあり、富山市、上市町、立山町、射水市、南砺市、小矢部市では5万円支給されています。

また、ハンターが出動した際の「報酬」はそれぞれの自治体で「時給」や「日当」、「出動回数」ごとに支払われています。
最も多いのが「出動回数」ごとの支給です。なかでも黒部市は最も高く、1回の出動につき1人1万円。富山市と氷見市は1回3000円で、1日最大9000円と定めています。出動に問わず「日当」としているのが、滑川市、入善町、小矢部市で、3000円から6000円としています。「時給」での支給は立山町のみで、今回の1時間2000円に引き上げました。
クマ被害が相次ぐ中、ハンターの育成・確保が急務となっていて、報酬の引き上げを今後検討するとした自治体もありました。
(富山テレビ放送)
