岩手県大槌町――三陸の海の幸はもちろん、緑豊かな山や清らかな川が育む食材の宝庫です。
そんな大槌の魅力を“まるごと”楽しめるのが、商店街に店を構える 「食処居酒屋おおとら」。地元食材にこだわった料理と、店主の熱い想いがあります。

店自慢の一品は「炙りサーモン丼」、丼に盛られたサーモンは、海ではなく大槌川の上流、淡水育ちのサーモンです。

店主・菊池忠彦さんは「サケの天然物がダメということで大槌で養殖サーモンに力を入れている。PRしながら街づくりに関わっていきたい」と語ります。

身はきれいなピンク色。軽く炙ることで香ばしさが加わり、澄んだ甘みが際立ちます。
清流が育てたサーモンは大槌ならではの新しい名物は贅沢な味わいです。

ランチでサーモン丼に負けず人気なのが「磯ラーメン」です。
シュウリ・ホタテやエビ、イカなどの海鮮具材の旨みが染み出したスープに、必須の海藻類(ワカメ・メカブ・フノリ)が加わり、磯の香りがふわりと広がります。

「昭和40年代に磯ラーメンが大槌発祥ということで、そこにこだわっていきたい」と話す菊池さん。

三陸の旨みが凝縮された滋味深い一杯。海藻の食感と豊かな風味が楽しめるラーメンです。

夜の居酒屋メニューも充実しています。おすすめは、今話題のジビエ「鹿焼き肉」。
ジビエ加工販売会社・MOMIJIが手掛ける鹿肉ブランド「大槌ジビエ」を使用しています。

店主 菊池忠彦さん
「仕留めた後の血抜きや作業を短時間で行っているので肉もやわらかい」

上質なロース肉は寒い時期に仕込んで熟成させた「こうじ」に漬け込み柔らかく仕上がっています。

合わせるお酒は、大槌の清流と米で仕込んだ地酒「源水」。
まさに“大槌の大地”を感じることができる芳醇な逸品です。

「食処居酒屋おおとら」の創業は約2年半前。
閉店が続く商店街を元気にしたい一心で、会社員から未経験の飲食業に転身した菊池さん。
その原動力は、ふるさとへの熱い想いです。

店主 菊池忠彦さん
「空き店舗が出て街が活気がなくなっていくのが、街づくりを考えたときに少し寂しいのかなっていうのもあって。大槌愛してますんで」

地元食材をふんだんに使い、町外からも人を呼び込む――その挑戦は、料理を通じて大槌の魅力を発信することにつながっています。

岩手めんこいテレビ
岩手めんこいテレビ

岩手の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。