先日、現代⽤語の基礎知識選「2025 T&D保険グループ新語・流⾏語⼤賞」に“二季”がノミネートされた。「暑い」から一気に「寒い」に変わる最近の秋~冬は、服装選びがますます難しい。今年も「思ったより寒かった」「着込みすぎて暑かった」という声が多く聞こえてくる。
どうすれば服装選びに失敗しないで済むか。その方法として、気温だけでなく「天気図」も見ることをオススメしたい。気温が激しく上下し、天気もコロコロと変わるこの時期は、実は「天気図」としては大きく3つのパターンに集約できる。
それぞれの場合にあると助かる対策アイテムを、ファッション好きの筆者が勧めるコーデと合わせて紹介したい。
(1)「低気圧」や「前線」が近くにある場合
【注意ポイント】 雨風と急激な気温変化
低気圧や前線の近くでは雨風が強まる。さらに、低気圧から伸びる寒冷前線が通過すると冷たい北風が吹いて気温が一気に下がる。

【対策アイテム】 撥水・防風アウター
雨風をしのげるだけでなく、前線通過後に北風で気温が下がってもそのまま対応できる。化学繊維のツルっとしたタイプがマスト。靴下が濡れると足から冷えるので、靴も防水しておくとさらにいい。
【ファッション案】
ナイロン製のジャケットやスポーティーなスニーカーを取り入れれば、雨風対策をしながらスポーツミックスコーデが完成する。普段の服装と同じ色味のアイテムなら、違和感なく組み合わせやすい。
(2)西に「高気圧」東に「低気圧」がある場合
【注意ポイント】 強く冷たい北風
この「西高東低」は、木枯らしも吹くような冬型の気圧配置。等圧線の間隔が狭く混み合うほど北よりの風が強くなる。風速1m/sごとに体感は1℃下がると言われ、気温よりもかなり寒く感じられる。

【対策アイテム】 ストール・マフラー
熱を逃しやすい首を守ることで体温が奪われるのを防ぐ。また首の周りから上半身に風が入らないようにし、服と服の間の温かい空気を守ることができる。シャツのボタンを一番上まで留める、タートルネックを着るなども効果的。
【ファッション案】
ストールやマフラーは季節感を手軽に演出できる上、小物なので普段使わないような色にも挑戦しやすい。ベーシックカラーのコーディネートに、マフラー・ストールを差し色として取り入れて、マンネリ打破を。
(3)「高気圧」に覆われている場合
【注意ポイント】 朝晩の冷え込みによる寒暖差
日中は日差しが届いてポカポカ陽気だが、雲が無いぶん朝晩は放射冷却でしっかり冷え込む。一日の気温差が10℃を超えることも珍しくない。

【対策アイテム】 持ち運び用アウター
こういった日はすぐに脱ぎ着できる服装が最適。脱いだときにカバンにしまいやすいものが◎。カーディガンやパーカー、ジャケットやダウンベストなどのアウターがオススメ。肩掛けストールもいい。
【ファッション案】
オーバーサイズジャケットは中に着込みやすいのでオシャレと防寒で一石二鳥。ベストは袖が無いので持ち運びやすい上、体幹部分を温めることで効率的に全身が温まる。ファー素材のベストなら見た目にも暖かい。
おでかけ前は「天気図」の確認を!
「天気図」はテレビの天気予報をはじめ、気象庁のホームページやスマホの天気アプリでも気軽に確認できる。
服装は気温をメインに決めながら、自宅やお出かけ先が紹介した3つの「天気図」パターンのどれに近いか見て、対策アイテムを加えるのがオススメ。
ファッションも楽しみながら“二季”を楽しく乗り切っていただきたい。
【執筆:ウェザーマップ・河村満里愛】
