1982年11月15日に上越新幹線が開業してから43年。開業日には、新潟駅では盛大な式典が行われた。総工費は約1兆7千億円、着工から11年をかけた一大プロジェクトをNSTのアーカイブから振り返る。
■工事開始から11年…最大の難関は“トンネル工事”
1971年に基本計画が決定し、同年11月に起工式が行われた上越新幹線。
工事の最大の難関は群馬県の中山トンネルで、異常出水と軟弱地盤によりルート変更を余儀なくされた。
また、当時山岳トンネルとして世界最長級だった大清水トンネルや魚沼トンネルなども掘削され、1982年4月に新潟―大宮間270kmのレールが全通する。
■豪雪対策と試験走行
上越新幹線最大の課題は雪だった。
1974年に消雪システムが開発され、降雪検知器と温水散水で克服。1980年には試験列車で雪対策を確認し、営業速度210kmを達成した。
1982年11月15日、上り一番列車「あさひ190号」が、新潟駅を午前6時45分に出発。旧特急「とき」の名称を継承し、豪雪地帯を貫く新幹線が誕生した。その後、1985年に上野駅、1991年に東京駅へ乗り入れ。現在は新潟―東京間を約1時間30分で結んでいる。
豪雪を克服し、難工事を乗り越えた上越新幹線の今後の進化にも期待だ。