県が進める河川工事が国の特別天然記念物・オオサンショウウオの生息に影響を与えるとして、大学の研究者などが環境に配慮した工事について議論しました。
きょう開かれた1回目の検討会にはオオサンショウウオを研究する広島大学の清水則雄准教授や県の担当者などが参加しました。
きょうの検討会で清水准教授はオオサンショウウオが暮らす地域で行われている災害復旧工事が環境に配慮されておらず、生息に適した環境を保つためには、隙間のあるブロックを使うなどの工夫が必要だと指摘。県は清水准教授などが行った調査結果に基づき、オオサンショウウオが生息する分布図を作り、環境に配慮するべき河川の範囲について意見を求めました。
【広島大学総合博物館:清水則雄准教授】
「少なくとも過去に生息が確認できた全範囲は対象とすべきです。繁殖地周辺だけでは不十分日本で初めて県のオオサンショウウオ生息マップができた。それを基に科学的にどういった範囲で配慮を行えるか議論できたというのは意義深い会になった」
県は来年3月までに環境に配慮した河川工事の方法や、工事する範囲を決める方針です。
【スタジオで補足解説】
取材した高橋記者によりますと、オオサンショウウオの生息に適した環境は標高200~900メートルで広島県は全国の中でも、このエリアが最も多く存在する県だということです。
しかし、県内のオオサンショウウオは護岸工事によって住みかを追われていることなどから、50年後には絶滅する可能性があると指摘しています。
それを食い止めるためにまずはオオサンショウウオの生息地を把握する必要があり、この検討会が大きな一歩になるということです。