2022年に安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判で、7日目のきょう=13日、山上被告の母親の証人尋問が始まりました。
傍聴席からはついたてで遮られた状態で尋問は始まりました。
山上被告は母親が法廷に入る前にメガネをかけなおしたものの、入ったとみられてからはほぼ証言台の方を見ず、目を伏せたままでした。
そして母親はまず、謝罪の言葉を口にしました。
【山上被告の母親の尋問より】「本来は事件が起きたとき、すぐ謝罪したいと思っていましたができませんでした。今ここで謝罪したいと思います。
安倍元総理もここにおられるかもしれませんが、大変な事件を起こたことをお詫び申し上げます。
安倍元総理、昭恵夫人に心よりお詫び申し上げます。(声が泣いているようになる)
安倍元総理を応援していた方々、国民のみなさまにお詫び申し上げます。
本当に申し訳ございません」
そして弁護側から「信仰している宗教は?」と聞かれると、「世界平和統一家庭連合です」と答え、現在も旧統一教会の信者であると明かしました。
■「教団に恨みを募らせたのは、兄の死に対する母の理解が原因だ」弁護側関係者に明かしていた山上被告
山上被告はこれまでの裁判で安倍元総理の殺害などを認め、弁護側が銃刀法違反など一部の罪の成立などを争っています。
山上被告は逮捕された当時、「母が入信する旧統一教会とつながりがあると思い、安倍元総理を狙った」と供述していました。
そして初公判直前の先月上旬、山上被告は弁護側の関係者に対し、「旧統一教会は母の問題で、兄が亡くなるまでは、自分の人生を生きていこうと決意していた。教団に恨みを募らせたのは、兄の死に対する母の理解が原因だ」と話していたことが分かっていて、法廷で何が語られるか注目されます。
■弁護側によると「山上被告の母親は信仰に反対していた兄の死後も信仰続ける」
弁護側によると、兄は母親の信仰に反対していましたが、母親は、兄の死後も信仰を続けていたということです。
弁護側の関係者は、関西テレビの取材に対し、母の態度を目の当たりにしたことで、「自ら復讐するしかないと思ったのではないか」と山上被告の心情を推測しています。
一方、裁判で検察側は「生い立ちは刑罰を大きく左右するものではない」と訴え、計画性の高さなどを主張しています。