■事件後初めて母親の近くにいたものの、一切目を向けず…
13日の裁判を傍聴した岩橋裕介記者の解説です。
【岩橋記者リポート】「山上被告の母親の証人尋問は午後5時頃に終了しました。私がいた記者席と母親の間は遮蔽板で遮られていたため、様子を見ることはできませんでしたが、冒頭、涙ぐみながら安倍元総理への謝罪を口にしました。
事件後、初めて母親の側にいた山上被告ですが、母親にも遮蔽板にも一切目を向けず、ずっとうつむいていたのが印象的でした。
■母親の証言が重大なカギ
母親の証言では1991年8月に入信し、その月のうちに2000万円を献金。さらに翌年には3000万円献金したなどと、旧統一教会への信仰の経緯について詳しく述べていました。
今回の裁判では、旧統一教会が「宗教2世」である山上被告の動機にどの程度影響を与えたのかが焦点になっていています。今回の母親の証言がカギの一つとなります。
■なぜ山上被告の怒りの矛先が安倍元総理に向かったのか
Q、山上被告の怒りの矛先が、母親や旧統一教会ではなく、なぜ安倍元総理に向かったのか明らかになるんでしょうか?
【岩橋記者】「これまで、なぜ山上被告の怒りの矛先が母親や旧統一教会ではなく安倍総理に向かったのかは触れられていませんでした。
来週、11月18日に母親と妹の証人尋問が行われる予定で、宗教2世の実態や今回の事件についてどのような証言が出るか注目されています」
■「いかに同情すべき事件なのか」で量刑が大きく変わる可能性も 菊地弁護士解説
【菊地幸夫弁護士】「弁護側の意図としては、母親の旧統一教会への献金で本当に苦労したと、家族が苦しい思いをしたということを、なるべく臨場感あふれる状況で浮かび上がらせて、裁判官や裁判員に聞かせたいという狙いがあります。
これは本当に同情すべき事件なのだということを、母親の証言からどれだけ出せるかというのが、弁護側の勝負になるところだと思います」
Q母親の証言というのが、これからの裁判の判決、量刑にどのような影響を与えるのでしょうか。
【菊地幸夫弁護士】「これは意外と大きいと思います。もし弁護側のストーリーがうまく裁判所に伝われば、検察官の求刑、相当重い求刑が出ると思いますが、求刑より判決ではある程度、軽くなる可能性はあると思います。
今後、母親と妹も出廷するということですが、妹さんの証言も、できるだけ同情を誘うようなところが弁護側の狙いだと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2025年11月13日放送)