中国で1億台の電動バイクを販売した最大手が日本に進出。
その戦略と課題に迫りました。

中国の電動バイク最大手の「ヤディア」は、11月1日から日本向けに開発した新商品の販売を始めました。

EV大国として知られる中国。
街中を走っているバイクの多くが電動バイクです。

環境規制や政府の補助などもあり、都市部を中心に電動バイクが急速に普及。
1台数万円と手頃な価格から買うことができることも受け、国内の保有台数は3億台を超えています。

利用者は「電動バイクはどこにでも行けるので便利。買い物をしたければ店の前に止める。車だったら駐車スペースが見つかりにくい」「少し電気代がかかるくらい。結構お金の節約になる」と話していました。

さらに、街中には電動バイク専用のバッテリーの交換スポットがあるほか、マンションの駐輪場には充電用コンセントが備え付けられるなど市民にとって使いやすい存在となっています。

こうした電動バイク大国の中国で最大のシェアを誇るのが“二輪のBYD”とも呼ばれている「ヤディア」です。

2024年までの累計販売台数は1億台を突破し、100カ国以上に販路を持つ世界最大の電動二輪モビリティメーカーで、日本向けに電動バイクの新商品を開発しました。

価格は20万円程度で、家庭用コンセントで充電できる手軽さに加え、レトロ感あるデザインとカラーで若年層の取り込みを狙っています。

そしてもう1つ、日本進出の追い風となるのが法改正です。

日本では11月から二輪車の排ガス規制が厳格化し、各メーカーは適合させるのが難しい排気量50ccの原付バイクの販売を停止しました。

各社が法改正への対応を検討しているものの価格の上昇は避けられないのが現状で、ヤディアの電動バイクは日本メーカーの電動バイクより10万円ほど安い価格を武器としています。

一方で、様々なメーカーの電動バイクが販売されている中国では、バッテリーからの発火が原因の火災が度々報告されていて、耐久性など安全基準の強化やアフターサービスなど整備体制にも課題が指摘されています。

環境面、安全面、価格面と様々な対応が迫られる日本の二輪市場で、中国初の電動バイクはどこまで浸透していくことができるでしょうか。

フジテレビ
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国際取材部
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