日本維新の会の吉村代表は11日の取材対応で、自民党の鈴木幹事長が10日の記者会見で、議員定数削減について「数字も入った具体的な結論を今臨時国会で決めきることは難しい」と発言したことの受け止めを聞かれ、「維新の会と自民党でこの国会で法案を出す。それは必ずやるということです」と明言しました。
一方で自民と維新の与党で過半数に届かないことから、野党の賛成を取り付けられず法案が成立しない場合に「法案が通らなくて『おかしい』と自民に言うのは違う」と発言。
これに対し、「法案が提出できれば及第点なのか?」と質問を受けると、「なぜ、できないようにするの?もうやろうよ、議員定数削減を」と強く話す場面もありました。
■「維新と自民でこの国会で法案を出す 必ずやるということ」
(Q.自民党内では、具体的な制度設計についての協議は来年に持ち越すべきだとする声が上がっているようだが、提案があった場合、維新として受け入れる?)
【吉村代表】「維新の会と自民党でこの国会で法案を出す、協議をして結論を出して法案を出すというところ、これは連立合意書でも合意してる内容ですから、それは必ずやるということです」
(Q.代表はこれまで、『比例で50削減』と具体的な削減内容に言及してきたが、この内容を盛り込んだ法案成立を目指すべきという考えか?)
【吉村代表】「衆議院で今小選挙区と比例代表ですけれども、小選挙区っていうのはやはりそれぞれのエリアから選ばれている。
また小選挙区を削減するとなると、これは人口の少ないところ。それこそ地方の声をどうやって届かすのかという議論が出てくるんだろうと思います。
“一票の格差”というものを考えると、比例代表ということについては、今“ゾンビ”と言われる、いわゆる比例復活も含めて、176名の議員がいるということになりますから。
僕はここで1割、約50の削減をするべきだと思っています。いずれも衆議院の1割削減、僕は比例だとに思います」
■自民が法案出さなかったら…「高市さんはそういうことはされないと信じています」
【吉村代表】「自民党が(法案を)出さないとなれば、連立合意と違うことをするということになるから、僕は高市さんは、そういうことはされないと信じています。
自民党でしっかりまとめられると、自民と維新でまとめていくということになると思います。
そもそも自民がやらないということであれば、そもそも全く違うんじゃないかと私は思います。
ただ自民と維新で合意をして法案を提出し、そして採決をすることが非常に重要だと思っています。
他の民主党も…立憲も国民もそうですけれども他の政党も公約に掲げていたところはあったと思うんです。
特に自民党と民主党は約束してたわけですから、法案を出したわけですから、公約にも掲げたわけですから、『ここでやらなくて、いつやるんですか』という思いです」
(※民主党政権時代の2012年に自民党と当時の民主党が議員定数削減で合意。)
■「自民と維新だけでは足りていないということも僕は認識をしています」
議員定数削減について、強い思いを語った吉村代表ですが、同時に自民と維新の与党だけでは過半数に届かないことから、成立は簡単ではないという認識を改めて示しました。
【吉村代表】「ただ、今の議会構成として、維新と自民だけでは過半数に足りていないというのは事実です。
これは衆議院で3名、参議院で6名だったと思いますが足りていないのは事実ですので。
無所属も含めて全員に反対されれば、可決はしないということは、これは僕もわかっています。数の論理として。
そこはもうどうしようもないですよね。だから他の無所属や野党の議員に対し、野党に対して広く呼びかけていくということは当然維新・自民としてやっていくと。
ただその採決する結果、自民と維新だけでは足りていないということもちゃんとそこは僕は認識をしています」
■「なぜ、できないようにすんの?もうやろうよ、議員定数削減を」
そして、法案を提出しても成立しない場合については、次のように言及しました。
【吉村代表】「それで通らなかったら『おかしいじゃないか』と自民に言うのはちょっと筋が違うのかなと僕は思います。
でも、そもそも(法案を)出しませんということなってくると、いやそれは違うでしょう、と僕は思いますね」
この発言に対し、記者から「.吉村代表の話を聞いてると、定数削減の法案を採決して、野党の反対で否決されたとしても、合意の内容としては及第点に聞こえるが?」と聞かれると…
【吉村代表】「いや、だからその…なぜ、できないようにすんの?もうやろうよ、それを。議員定数削減を。
だって約束したじゃないですか。自民党も民主党も何でやらない方向で『及第点ですか?』とかっていうのがあるのかが、僕はわからないですね。
皆さんから見て、『やらなくていいんですか?』ってならないんですか?僕は思いますけどね。
これ『なんでやらないんですか?』って、ならないのかわかりません。『否決されたら及第点ですか』っていう質問の趣旨がわからないです」