国の天然記念物に指定されている秋田犬が富山市に集結した。9日、県内外から36頭もの秋田犬が「秋田犬らしさ」を競う展覧会に参加するため、雨の降る富山市に集まった。

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全国から集まった秋田犬たち

この日開催されたのは、秋田犬保存会東海北陸支部が主催する展覧会。富山県内はもちろん、三重県や愛知県、石川県など、さまざまな地域から秋田犬とその飼い主たちが参加した。

「愛知県から来ました」

「石川県から参加しています」

参加者たちは、愛犬の「秋田犬らしさ」を競うために長距離を移動してきた。富山県内での開催は昨年に続いて2回目となる。

「秋田犬らしさ」とは何か

展覧会では、秋田犬保存会が定める15項目の基準に従って審査が行われる。参加者の一人は次のように説明する。「顔の美しさ、体つき、毛の色、毛並みなどが見られます。性格は人がいてもオドオドしない、人間がハンドリングしているときに動かずに堂々と立っているかが大事です」

生育具合とオスメス別に審査され、骨格や毛並みだけでなく、性格も重要な評価ポイントとなる。大勢の人や他の犬が集まる環境下でも動じない集中力や度胸が求められるのだ。

中には、会場の雰囲気に緊張気味の秋田犬も見受けられた。どんな状況でも冷静でいられるかどうかも、「秋田犬らしさ」の重要な要素なようだ。

純血統を守る取り組み

この展覧会は単なるコンテストではなく、秋田犬の純粋な血統を守り、保護繁殖につなげるという重要な目的があり、参加者は「展覧会をやることで地域も盛り上がるし、興味のある人がたくさん見に来てくれる。秋田犬の普及活動になります」と語る。

最も優秀な「特優」ランクを獲得するには、日頃からの運動量や食事管理、さらには小まめなシャンプーで毛並みを整えることも欠かせないという。

富山在住の「さくさく」が栄冠を勝ち取る

この日の展覧会で栄えある1位に選ばれたのは、富山市在住の3歳オス「さくさく」だった。

飼い主の田近仁さんは喜びを隠せない様子で、「めちゃくちゃ状態が悪いなかで1位をとれたのはすごくうれしい。もっと状態が良ければ、ランクが『優秀』ではなく『特優』とれたら最高だったが、それはおあずけ、目標にしてこれからも頑張っていく」と語った。

威厳がありながらも優しい性格を持つ秋田犬。今回の富山での展覧会で「秋田犬らしさ」を競った参加者たちの中から、来月福岡県で開催される全国規模の本部展にも多くの秋田犬が出場する予定だ。秋田犬らしさ日本一を目指す飼い主と秋田犬たちの挑戦は続く。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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