11月9日に福島市長選挙が告示され、現職に新人2人が挑む構図となっている。有権者は市政に何を望むのか?

■市政に何を望む?市民の声

10日から市内9カ所で始まった期日前投票。早くも投じられた1票には切実な思いが込められていた。投票に訪れた市民は「物価が上がっても私たちの年金は上がらない。窮屈っていうか大変」と吐露する。

県都・福島市でも進む少子高齢化。
市民からは「子ども・教育・高齢化、この問題。今が一番大事な時じゃなくて、今の先になる所が一番大事だと思う」との声が聞かれる。
この10年で1万2000人が減り、市の未来と財政を支える「人口の維持」が課題だ。

県都の玄関口、駅前。再開発ビルの開業は2029年度と予定され、中心部の賑わいの維持も大きな争点の一つだ。市民は「駅前に人が少ない。早く開業してほしい。なんとか早く活性化してほしい」と話す。

メガソーラーをはじめとする環境問題。また市街地でも目撃が相次ぐクマへの対策など、私たちの命や生活を守る政策も求められる。
市民は「福島もどんどんこれから復興に向かって発展しなくちゃいけない町。それに対するリーダーというか、熱い思いみたいなものを実現できる方に投票したい」と話す。

有権者は約22万6000人。次の4年間を担うリーダーが決まるのは、11月16日(日)だ。

■現職・新人の3人が立候補

福島市長選に立候補したのは、前衆院議員の新人・馬場雄基(ばばゆうき)さん。3期目を目指す現職・木幡浩(こはたひろし)さん。会社経営の新人・高橋翔(たかはししょう ※高ははしごだか)さんの3人。
第一声から3人の訴えを見ていく。

■前衆院議員の新人・馬場雄基さん

2021年に衆院選に初当選し「初の平成生まれの国会議員」となった馬場雄基さんは、「閉塞感漂う市の現状を打破したい」と立候補を決意した。

「少子高齢の時代の中で、いかに皆様と知恵を絞って新しい形を見出していくのかが問われているのではないでしょうか。みんな一人一人の中にもやもや感があります。もやもやし過ぎですこの街。そんな街に未来があるんですか。私はこれを変えたいんです」

■3期目を目指す現職・木幡浩さん

現職の木幡浩さんは、自民や立憲、連合福島など政党や団体からの推薦を得て「まちを元気にくらしに希望を!」をキャッチフレーズに、2期8年の実績を訴える。

「まちが元気で暮らしに希望が持てる、そういう福島を全力で作ってまいります。いま私の手元では、色んな動きがうごめいている。そういう情報が次々と入っています。今のこの福島のまちなかの状態、まさに夜明け前の状態です」

■会社経営の新人・高橋翔さん

知事選や県議選、首長選など県内の選挙へ16回目の挑戦となる高橋翔さんは、民間企業経営者の手腕が行政運営に力を発揮すると主張する。

「まず1つ、先達山のソーラー問題。そして2つ目、駅前の再開発の問題。3つ目が教育・子育て環境、人口減少の問題。これら全て私であれば解決は可能だと思っております。民間出身、そしてバリバリ物を言うトップセールスマン、こういったしっかりとネゴシエイト、交渉できる人材が今福島市内にはおりません」

■争点の一つ 駅前再開発事業

一方、告示直前の11月7日に行われた公開討論会。
争点の一つとなり、議論が交わされたのが福島駅前の再開発事業だ。2029年度の開業を目指し、人が集える“コンベンションホール”の整備などが構想されている。

馬場雄基さん「コンベンションホールの機能だけで本当に良いのかということは、私は一旦立ち止まって再整理させていただきたいと。他に老朽化する施設がたくさんある中で、私は一旦再統合・再整理というものを掲げたうえで、まずやっていくべきじゃないかという風に考えている」

木幡浩さん「(コンベンションホールに)さらに来た人を、まちなかに流していく。それが続いていけば、民間の投資も誘発されてくるんです。それで色んなものができてくる。そういう好循環をぜひ作っていきたいと思っています」

高橋翔さん「若者がまず集うような、理由がないというのが現状。そういうものをつくるのに、こういった民間投資を促すのは非常に大事だと思っている。その辺は力強く、推進したいなと思っています。トップセールスで」

約2時間にわたった討論会は、YouTubeで公開されている。
https://www.youtube.com/watch?v=zkabHqLIuvU

前回・4年前の市長選の投票率は、34.79%で福島県選挙管理委員会に残る記録によると、過去最も低くなっている。県都・福島市の将来を決める選挙は11月16日に投開票される。

福島テレビ
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